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プレーオフでもブレイザーズはサプライズチームとなれるか?

4月16日(日本時間17日)から、いよいよプレーオフが開幕する。NBAの頂点に立つチームを予想するとなれば、まず本命は前年王者のウォリアーズだ。レギュラーシーズンを73勝9敗、マイケル・ジョーダンがいたブルズ黄金期の年間最多勝利記録を塗り替えたウォリアーズが、優勝候補筆頭であることは間違いない。

対抗は1シーズンでのホーム戦績で歴代1位タイの40勝1敗を記録したスパーズ、昨年のファイナルの雪辱に燃えるキャバリアーズの2チームだろう。

だが、ここで話題にしたいのは本命でも対抗でもなく「大穴」だ。プレーオフではしばしばサプライズチームが現れる。昨年で言えば、1回戦でラプターズを4連勝で蹴散らしたウィザーズだろう。「アップセット」(番狂わせ)はプレーオフを盛り上げる重要な要素なのだ。

では、今年のプレーオフにおける「大穴」はどこだろうか。面白い存在なのはトレイルブレイザーズだろう。ブレイザーズはレギュラーシーズンの段階で周囲の低評価を覆す躍進を果たしている。

レギュラーシーズン開幕前、ブレイザーズの評価は低かった。ラマーカス・オルドリッジがスパーズに、ニコラス・バテュムがホーネッツに、ロビン・ロペスがニックスに、ウェスリー・マシューズがマーベリックスにと、先発メンバーのうち4選手がチームを離れたのだから、開幕前に「プレーオフ出場は相当に厳しい」と予想する意見が大多数を占めるのも無理はない。

しかし、エースに昇格したデイミアン・リラードと、3年目のCJ・マッカラムを軸に、ブレイザーズは堅調に勝利を積み重ねていく。結局、開幕前の予想に反してレギュラーシーズン44勝38敗という好成績を収め、戦力で上回るロケッツ、グリズリーズ、マーベリックスより上の西カンファレンス5位でプレーオフに進出。プレーオフ進出を決めた際、リラードは「批判が間違っていたことを証明できた」と、誇らしげに語った。

そのブレイザーズはプレーオフ1回戦で西カンファレンス4位のクリッパーズと対戦。クリッパーズは本命対抗の3チームに次ぐ実力を持っており、レギュラーシーズンの対戦ではブレイザーズ相手に3勝1敗と勝ち越している。『ESPN』はブレイザーズが勝ち上がる可能性を17%と予想。そしてクリッパーズで以前ヘッドコーチを務め、現在は解説者を務めるビニー・デル・ネグロも「クリッパーズが勝ち上がる」と予想した。

だが、これに異を唱えた者がいた。リラードである。デル・ネグロの予想を聞くやいなや、Twitterで反論。デル・ネグロらチームを批判する声を『#They』で表現し、投稿した。

あくまで紙上の計算ではあるが、戦力、経験値ともにクリッパーズが断然有利なのは間違いない。贔屓目ではなく冷静に両者のチーム力を比べると、そういう結論を出さざるを得ない。

ただ、そんな我々『バスケット・カウント』も『#They』に含まれるのだろうか。低評価を覆すことをモチベーションとしているブレイザーズ、いや、リラードのプレーに注目だ。