ジェイソン・テイタム

試合運びの拙さを露呈したウィザーズは、明後日ペイサーズと対戦

東カンファレンスの7位シードを懸けたセルティックスとウィザーズの対戦は、一発勝負の緊張感から互いにシュートが決まらず、重たい展開の前半となりました。ウィザーズは3人が個人3つとファウルトラブルに苦しみ、セルティックスではマーカス・スマートとロバート・ウィリアムスが試合中に足を痛めるなどお互いにアクシデントが発生し、ゲームプラン通りとはいきませんでした。

またプレーオフでは相手の弱点を狙っていく戦略を実行するのが通例ですが、前半はともに3ポイントシュート成功率が25%を下回り、ディフェンスを攻略しても得点にならずに、オフェンスにリズムが生まれませんでした。

しかし、後半早々に八村塁が4つ目のファウルでベンチに下がると、交代で入ってきたデビッド・ベルターンスのスピード不足を狙ったケンバ・ウォーカーの3ポイントシュートが連続で決まり、セルティックスがリズムをつかみます。さらに高さのミスマッチを狙ったジェイソン・テイタムのジャンプシュートも決まり、セルティックスがリードを2桁へと広げました。

この試合初めての大きな流れに対して、ウィザーズはオフェンスで対抗する選手起用をしますが、ディフェンスが緩くなることを意味します。これに対してリズムをつかんだテイタムが次々にシュートを決めていき、第3クォーターだけで23得点を奪いました。ディフェンスを後回しにするのはウィザーズらしい采配でもありますが、この大一番では明確に裏目に出ました。

第4クォーターに入っても、追い上げたいウィザーズが切るカードはオフェンス志向のものばかり。その結果、ディフェンスを崩されてファウルで止めることになってしまい、セルティックスはフリースローで確実に得点を伸ばしていき、さらにテイタムはほぼ確実に勝てるベルターンス相手の1on1を繰り返してリードを広げていきました。

両チームにトラブルが発生した試合でしたが、前半にケガ人を出したセルティックスは傷口を広げないような選手起用で我慢したのに対し、ウィザーズはファウルトラブルをきっかけにオフェンス志向の選手起用が強まってディフェンスの対処が遅れ、さらにファウルがかさむ悪循環になりました。テイタムの50得点は素晴らしい結果ですが、そのうち17点はフリースローによるもの。ウィザーズがここの対応をおざなりにしなければ、もっと競ったゲームにできたはずです。

テイタムの見事な爆発とウィザーズの試合運びの拙さが相まった試合となりました。シーズン終盤の勢いではウィザーズが上でしたが、アクシデントへの対応は勢いだけでは解決できません。これでウィザーズはホーネッツに大勝し勢いのあるペイサーズと第8シードを争うことになります。中1日の準備期間に、どの課題に対してどんな対処ができるか、そのゲームプランを選手が粘り強く遂行して戦えるかが問われます。