宇都宮ブレックスは49勝11敗、B1全チームの勝率トップでレギュラーシーズンを終えた。シーズンを通じて連敗は2連敗が2度あるだけ。ケガ人はそれなりに出たが、新型コロナウイルス感染者を出すことなく、全60試合をスケジュール通りに戦い抜く中でチーム力を高めてきた。ディフェンスとリバウンドに軸足を置いた戦いぶりは盤石の安定感があり、どの選手も自分たちのスタイルに自信とプライドを持っている。特に平均12.9得点7.6リバウンド4.1アシストを挙げオールラウンドに活躍するライアン・ロシターには、すでに初年度以来となる優勝のビジョンが見えている。
「チャンピオンシップモードへの切り替えを早すぎないように」
──いよいよチャンピオンシップが始まりますが、現在はどのように調整していますか? またコロナ禍で普段とは取り組み方が違ったりしますか?
2日休んで3日練習をして、また2日休んで練習というサイクルです。しっかり身体を休めることもできましたし、自分たちのことをもう一度見つめ直す良い時間になっています。
今までであればレギュラーシーズンが終わって、その翌週からチャンピオンシップが始まります。いつもだったらレギュラーシーズンが終わった勢いのままチャンピオンシップに入っていくのですが、今シーズンは一週間空くということで今までとは多少違いがあります。時間に余裕があるということで、より慎重にというか、落ち着いて自分たちのことを見つめ直しながら準備しています。
──時間があることはプラスだと思いますが、最終戦から期間が空き、チャンピオンシップモードになかなか入れないというマイナスな要素はありますか?
ネガティブにはとらえていません。ただ、今シーズンは一週間の猶予があるので、最初の一週目は落ち着いて身体を休め、チャンピオンシップモードへの切り替えを早すぎないようにしました。身体を休めることができたし、時間をかけて練習することもできたので問題ありません。少し期間が空くというのはレギュラーシーズン中にも経験がありますし、チャンピオンシップということでみんな集中しています。
──準備万端ということですね。ちなみにリーグ最高勝率でチャンピオンシップへ進出しますが、コロナ禍でレギュラーシーズンに苦労した点はありますか?
長いシーズンの中でバスケットボールから離れたくなる時もあります。今までであれば東京に行ったり外にご飯を食べに行ったりして気分転換していましたが、それがコロナによって県外に行けないとか、場所によっては閉まっているとか、バスケットボールから距離を置くという面での難しさはありました。それ以外はリーグもしっかりコロナの中で選手が安全にプレーできる環境を確保してくれたと思うし、しっかり対策をしてくれたので、バスケットの部分ではコロナでのストレスはそこまでなかったです。
ホーム開催は「自分のルーティンで試合に臨めることも大きい」
──ちなみに初年度は千葉ジェッツに同一カード連敗を喰らったにもかかわらず、リーグ優勝を成し遂げました。状況が少し似ていると思いますが、ロシター選手自身はそういったジンクスを信じたり、縁起をかついだりするタイプですか?
もちろん初年度の千葉との対戦は覚えていますし、とても状況が似ているなと自分も思っています。ただ、似たようなシチュエーションがあったことでまたそういうことが起きるかもしれないとか、その似たような状況が自分たちにとってラッキーだとは考えません。でも、それに近い状況を経験しているということは自分たちにとって必ずプラスになると思うので、そういう経験をしていることは前向きにとらえています。
──ホームコートでの開催権を得たことについて、意義やプラス材料となる部分を教えてください。
チームの目標として東地区の優勝を掲げていました。ホームコートアドバンテージが取れて、ブレックスアリーナで試合ができ、ファンのサポートの中でプレーできることは確実にプラスになります。
また、ホームで戦えることによって自分のルーティンで試合に臨めることも大きいです。寝て起きるのも自分の家で、そこから自分のタイミングで会場に入って準備ができ、試合が終わったら自分の家に帰ることができます。僕は自分のベッドで寝たいし、自分で料理して自分の食べたいものを食べたい。アウェーではホテルの生活リズムに合わせないといけないですし、そういったところもプラスであることは間違いないと思っています。
──ホームコートアドバンテージはバスケ以外の部分でも大きいのですね。あらためて、優勝への自信と思いをお聞かせください。
昨シーズンはコロナでチャンピオンシップが行われなかったので、その一年分みんなも楽しみにしていると思います。僕はその前のシーズンもケガでプレーできなかったので、今回に懸ける思いは強いです。チャンピオンシップに出れるのは8チームのみということで、どのチームも懸ける思いは強いと思いますが、僕らも負けません。
この60試合という長いシーズンを最高勝率で終えたことが強さの一つの証明ですし、もちろん勝ち抜く自信はあります。毎日の練習の中でチームでハードワークをし続けてきたし、その練習を楽しみながらやれています。練習前後の雰囲気も良いし、チームとしてのケミストリーも高く、自信を持って優勝できると言えます。