角野亮伍&篠山竜青

篠山竜青は大阪を「対戦した回数が少ない分、不気味な部分がある」と警戒

今週末からBリーグは優勝を懸けたチャンピオンシップがスタートする。大阪エヴェッサと川崎ブレイブサンダースは5月15日から、おおきにアリーナ舞洲でチャンピオンシップのクォーターファイナルを戦う。昨日のメディアデーでは両チームから角野亮伍と篠山竜青が会見に応じた。

大阪にとっては初のチャンピオンシップ進出。ルーキーの角野にとってもチャレンジの機会となる。川崎の印象については「すでに何度か試合を見てスカウティングしていて、前からプレッシャーをかけて5人全員で攻めて来る印象」と語る。今シーズンの両者の対戦は開幕翌週の第2節のみで、この時はホームの川崎が2試合とも完勝している。「ボールをもらいたいところでフィジカルに来てもらわせない、そこをすごくやられた記憶があります。まずは気持ちで負けずに僕たちがやりたいディフェンスをやって、走るバスケを展開したい」

ベテランの篠山はより冷静で、「対戦した時は外国籍選手も合流できていなくて、今とは別のチームという認識。特に(ディージェイ)ニュービル選手が入ってから爆発力という面ですさまじいパワーを持ったチームなので、対戦した回数が少ない分、不気味な部分がある印象です」と語る。

川崎は帰化選手のニック・ファジーカスを擁するメリットを生かした『ビッグラインナップ』が大きな武器となり、レギュラーシーズンを戦ってきた。それでも篠山は、「大阪もビッグラインナップが敷ける選択肢を持っている」と警戒する。「ウチよりもうワンランク上の身長で、日本人選手もデカいチーム。川崎は高さでアドバンテージを取って戦っていましたけど、大阪ほど大きなチームにどうやって機能させるか。高さだけでなくディフェンスやオフェンスを読む、川崎のテーマであるリード&リレクトの真価が問われるシリーズになると思います」

一方で角野は「ビッグラインナップというより、日本人選手で外回りを固めてきた時のディフェンスの激しさとか、ローテーションの速さが対策しないといけないところ」と語る。「僕らも大きいですけど若い選手が多くて、ベテラン選手の読みに対応しかねる部分がまだ多い。まず前からバシバシ当たってくるところをしっかり若手も冷静に対処していくところからやっています」

角野亮伍&篠山竜青

角野亮伍「挑戦する気持ちで優勝目指して頑張りたい」

角野にとって川崎はデビュー3戦目と4戦目の相手で、プロになって初めてのアウェーゲームの相手。「最初の対戦の時は、まず僕たちが練習でやってきたオフェンスのフォーメーションなどが全部先読みされているように感じて、こんなディフェンスを体験したことないという印象」と記憶も新しい。一方で篠山は「開幕してすぐだったのであまり覚えていないというか、それぐらい長いシーズンだったので期間が空いていると感じます」と語る。

それでも篠山は角野を「学生の頃から得点力に光るものがある選手」と評し、「アメリカに挑戦したりいろんな経験を経て日本に帰ってきて、シーズン序盤に比べて本当に今はフィットしてきて、オフェンスの核になっていると思うので、それこそマッチアップする機会が多いかは分からないですが、角野選手が乗って来るとチーム全体も乗ると思うので、経験を使って、時にはファウルを使うこともあると思いますけど、少しでも嫌がらせれるようにディフェンスできればと思います」と対策を語る。

これに対して角野は「個人としては、最近少しずつプレータイムをもらって調子も良くなってきている。僕は結構大きくてフィジカルも強い方だと思うので、もしマッチアップしたりされたりしたら、そこを生かして身体でやっつけたい」と篠山に宣戦布告する。

相手チームのキーマンは誰かと質問されて考え込んだ角野に対して「こういう時のお手本として僕から行かせていただきます」と言う篠山は「やっぱり角野選手です」ときっぱり。「シーズン前半戦は日本やBリーグのバスケに順応するのにもう少し時間がかかるのかなという感じで見ていましたけど、後半戦から本来の爆発力、得点能力や嗅覚が出てきて、角野選手自身もチームも一緒になって加速していくようなイメージがあります。彼みたいな選手が波に乗ると非常に怖いので、角野選手を自由にさせないのは川崎にとって一つ鍵になると思います」

これを受けて角野は「そうですね……」と一呼吸置いてから「篠山選手ですね」と、こちらも言い切った。「ディフェンスが上手い選手や3ポイントシュートが上手い辻(直人)選手、いろいろな特徴を持った選手がいる中で、核となってまとめる選手がいるのはそれだけで脅威です。そういった選手たちをどう操るかはその人次第なので、僕は川崎と対戦した時の印象がとても強くて、その中で声とか目線とかで先読みされているとすごく感じたので、チャンピオンシップではその上をいけるような戦いをしないといけないと、今から緊張しています」

大阪と川崎、どちらのビッグラインナップが上回るのか、角野の爆発力はどのような形で発揮されるのか、そして篠山はこの試合をどうコントロールするのか。楽しみが尽きないクォーターファイナルの顔合わせとなる。