終盤は拮抗するも2点届かず
5月9日、琉球ゴールデンキングスはレギュラーシーズン最終戦で京都ハンナリーズと対戦。第4クォーターに猛追を見せるが、ここ一番でシュートを決めきれず70-72で敗れた。西地区優勝の琉球は、次週チャンピオンシップのクォーターファイナルでワイルドカード上位と激突する。サンロッカーズ渋谷が10日の千葉ジェッツ戦に勝った場合はSR渋谷、敗れた場合は富山グラウジーズが相手となる。
この試合、琉球はキム・ティリが故障欠場。第1クォーターは、ともに相手ディフェンスを崩せずにタフショットが多く、京都の13-12と得点が伸びずに終える。第2クォーター、京都は石谷聡の3ポイントシュート、ジャスティン・ハーパーがトランジションからバスケット・カウントを沈め8点リードと抜け出しにかかるが、琉球も直後に石崎巧、ドウェイン・エバンスの得点で応戦。引き続き重たい展開は続き、前半を終え京都が3点リードの28-25とロースコアとなる。
試合が動いたのは第3クォーターで、京都は寺嶋良のドライブ、ターンオーバー奪取から細川一輝が3ポイントシュート成功。さらに細川のスティールを起点とする速攻でのシュートミスを満田丈太郎が押し込んでリードを2桁に広げる。
さらに1対1からの単発な攻めが増える琉球とは対照的に、ボールムーブが活発になることで生まれたチャンスで永吉佑也、松井啓十郎が3ポイントシュートを成功。このクォーターで京都は26-17と突き放すことに成功する。
だが、第4クォーターに入ると、琉球も石崎巧が熟練のゲームメークでオフェンスに流動性を作り出す。その結果、琉球はジャック・クーリーのインサイド、岸本隆一の3ポイントシュートと持ち味が出て、オフィシャルタイムアウトで同点とした。
その後は一進一退の攻防が続くが、京都は本日30得点のデイヴィッド・サイモンが持ち前の巧さを存分に発揮してファウルを誘発。そこで得たフリースローをしっかり決め、残り30秒で3点をリード。
琉球も粘りを見せ、岸本のフリースロー成功で1点差に迫ると、直後のディフェンスでフルコートプレスを仕掛け、相手のトラベリングを誘発した。だが、ここからの攻めで、オフェンスリバウンドを2本つかみ計3本のシュートを放つが決めきれず。最後は2点を追いかける場面で、エバンスが逆転を狙った3ポイントシュートも外れて京都が競り勝った。
岸本隆一「チームとしてまとまって戦っていくことが重要」
もう一押しができなかった琉球だが、藤田弘輝ヘッドコーチは、内容には一定の手応えを得ている。「今日の試合は様々な部分で我慢を続けてプレーできたと思います。次からはチャンピオンシップに向け調整し、沖縄アリーナで勝利を届けられるようにチーム一丸となって戦っていきたいと思います」
また、15得点を挙げた岸本も「結果は伴わなかったものの、試合を通して我慢を続けることができました」と続ける。そして、次週からの大一番へ意気込みを語る。
「レギュラーシーズンを振り返ると、チームとして目指すスタイルに全員が同じ方向を向いて戦え、苦しい時期も団結して乗り越えられました。チャンピオンシップに向け、チームとしてまとまって戦っていくことが重要ですし、それができれば最終目標に手の届くチームだと確信しています」
琉球は地区優勝決定後とはいえ、沖縄アリーナのこけら落としとなった4月21日の試合以降は2勝5敗と、黒星先行でレギュラーシーズンを終えた。ただ、敗れた5試合のうち、2試合はオーバータイム、2試合は今日も含めて2点差での惜敗となった。守備崩壊による88-99で敗れた千葉ジェッツ戦以外はすべてクロースゲームとなっている。
藤田ヘッドコーチ、岸本が語るようにディフェンスで粘り強く戦うことはできており、あとはどれだけオフェンスの精度を高められるのか。相手がクーリーのインサイドという強みを徹底的に潰しにかかる中、1対1からの単発ではなく、いかにチームで攻めてシュートチャンスを作り出せていけるかが大きな鍵となってくるだろう。
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