東藤なな子

指揮官トム・ホーバス「東藤は良いバスケットをしています」

「第1次合宿に比べると2次、3次と合宿を重ねるに連れて、リラックスしてできている部分があります。得意のドライブを生かしながら、トム(ホーバスヘッドコーチ)さんから求められている3ポイントシュートもアピールできていると思います」

こう語るのはバスケットボール女子日本代表候補の東藤なな子だ。札幌山の手高を経てトヨタ紡織サンシャインラビッツに加入し、昨シーズンはWリーグのルーキーオブ・ザ・イヤーを受賞。今シーズンも出場したすべての試合で先発を務め、レギュラーシーズンは平均12.8得点、5.8リバウンド、3.3アシストを記録して、チームのプレーオフ進出に貢献した。

トヨタ紡織ではエースとしてチームを牽引する東藤だが、Wリーグでのキャリアはまだ2年目を終えたばかりで、代表チームでも奥山理々嘉とともに最年少メンバーだ。アンダーカテゴリーでの代表経験は豊富だが、A代表に初招集されたのは2020年の1月のこと。その時は東京オリンピック予選の最終メンバーには選ばれなかったが、東京オリンピックの開催が1年延期したことで、再びチャンスをつかんだ。

しかし、新型コロナウイルスの影響でA代表に選出されてからは海外の国とのゲームができていないこともあり、指揮官のトム・ホーバスは「大きい選手を相手に同じバスケができるかは分かりませんが、彼女はよくやっています」と東藤について語った。「東藤は良いバスケットをしています。シュートも悪くなく、彼女のドライビングプレーは良いし、ディフェンスも結構強い。身体も強いです」

東藤自身も「去年、初めてA代表に選出された時はついていくのに精一杯でした。その時に比べたら自分自身でも、客観的にも変わったと思ってもらえています」と手応えを語る。「今は一日一日の練習の中で先輩から学べることがあります。自分がその日にできなかったことを、次の日にはなくしていくことで成長できていると思います」

東藤と同じシューティングガードでは、本川紗奈生、渡邉亜弥、今野紀花の3選手が第2次合宿後に選考から外れるなど、メンバー争いは熾烈なものとなっている。東藤に、このチャンスをつかみたいという思いを問うと「すごくあります」と力強く答えた。それでも、個人のことだけではなく、ケガ人が相次いでいるチーム状況を見た上でこう意気込みを語った。

「今は渡嘉敷(来夢)さんや本橋(菜子)さんもケガをしているので、やっぱりチームの底上げをしていかないといけないです。その中で自分ができることを精一杯やって、トムさんに認めてもらえるように頑張りたいです」