粘られ続けるも、終盤にターンオーバー奪取から突き放す
横浜ビー・コルセアーズvs新潟アルビレックスBBの第2戦。横浜が突き放せば新潟が追いつくという展開が最後まで続いたが、最終クォーターの勝負どころの約2分間を10-0と走った横浜が84-70で勝利。今シーズン限りで引退を表明している竹田謙のホーム最終戦に華を添えた。
横浜は竹田のパスカットからロバート・カーターの速攻に繋げ、カーターが流れの中からミスマッチを作って得点。竹田もミドルシュートを沈めるなど、個に頼らないオフェンスが機能した。ジェイソン・ウォッシュバーンのインサイドに手こずったが、パトリック・アウダがリング付近でのシュートを確実に沈め、18-16とわずかにリードして第1クォーターを終えた。
第2クォーター開始1分半でレジナルド・ベクトンが個人3つ目でファウルトラブルに。新潟ディフェンスを崩せず、ローテーションのミスを突かれてゴール下のイージーシュートを許し、西田優大に3ポイントシュートを決められて5点のビハインドを背負ったが、竹田のミドルシュートで悪い流れを断ち切ると、アウダの3ポイントシュートで逆転し、横浜が38-36とリードして後半を迎えた。
後半に入り、横浜のペースで進んだが、ベクトンがダンクを外し逆速攻から3ポイントシュートを許すなど、シーソーゲームが続く。なかなか突き放せない横浜だったが、ここでアウダが奮起。ハッスルして連続でポゼッションをもたらすと、ミドルシュートに速攻を決め、さらには3ポイントシュートも沈めてリードを広げた。
最終クォーターに入り、チェンバースが3ポイントシュートを沈め、ここまで最大となる8点のリードを奪ったが、ここでベテランの五十嵐圭が立ちはだかった。流れが悪い中、五十嵐はボールをプッシュしペースを速めると、技ありなレイアップを成功させ、さらには3ポイントシュートも沈めて2点差に詰め寄り、残り5分15秒にウォッシュバーンの得点で同点に追いついた。
竹田「打たなきゃいけなかったですよね(笑)」
こうなると追われる側が不利になることが多いが、横浜はここから集中力をより高めた。ディフェンスの集中力を保ち、最後までシュートチェックにいくことでウォッシュバーンのゴール付近のシュートを決めさせない。そして、インサイドで得点できず、外に展開するボールに手を引っかけてターンオーバーを誘発し、それを得点に繋げていった。
横浜がこのクォーターのターンオーバーを0に抑えたのに対し、新潟は5。この差が勝敗を分けた。攻守が噛み合った横浜はベクトンのプットバックやカーターの3ポイントシュートが決まり、終盤に10-0と走った。そして、初めてリードを2桁に乗せた横浜がそのまま押し切った。
残り49秒、勝敗が決まった状態でこの日がホーム最終戦となる竹田がコートに送り出された。そして、ボールを託された竹田はハンドラーとなり、スクリーンを使ってリングへとアタック。ディフェンスを引き寄せ、カーターの3ポイントシュートをアシストし、ホームでのラストプレーを締めくくった。素晴らしいプレーだったが、「特に何も考えていなかった」と明かし、苦笑いを浮かべた。
「『やれ、やれ』と言われたんですが、何も考えていなかったです。打たなきゃいけなかったですよね(笑)。ロブもスリーを決めてくれたのでそれで良かったのかなと思います」
最後までチームファーストを貫いた竹田は「なかなか点数が離せなくて、我慢の時間帯が続いたんですけど、それでもキレずにディフェンスも頑張り、リバウンドも取れたし、良いオフェンスができていた。とにかくチームみんなで勝って終われたのは良かった。全体としては非常に良いゲームだった」と総括した。
竹田にとって次のアルバルク東京戦がキャリア最後の試合となり、もし、A東京に勝利することができればチームは過去最多の19勝に到達することにもなる。竹田のラストゲームというタイミングで、クラブ最多勝の更新もなるか、俄然注目が集まる。