文=鈴木健一郎

島田代表「クラブの未来として非常に重要」

9月8日、千葉ジェッツが会見を開き、来年7月よりチーム名を「千葉ジェッツふなばし」へと変更することを発表。会見には船橋市長の松戸徹、クラブ代表の島田慎二、そしてBリーグのチェアマンである大河正明が出席した。

島田代表は今回の名称変更についてこう語る。「新シーズンからはホームゲーム30試合のうち8割の24試合をホームアリーナで開催します。これまで以上にここで、船橋を盛り上げ、船橋と一緒に歩みを進めていくことが、クラブの未来として非常に重要だと考えています」

島田代表はこう続ける。「船橋アリーナは5000人以上の観客を収容できます。立ち見を含めれば6000人まで動員できます。我々は62万人を超える船橋に、6000人の会場を常に満員に埋め尽くすことができるポテンシャルがあると思っております。市場規模を拡大したり、社会的評価を得たりする上で、大きな決断だと考えております」

会見に同席した松戸市長は、「是非とも初代チャンピオンを、優勝を目指して頑張ってほしい。選手の皆さんが市民の力を得て、頑張ってくれることを期待しています」と檄を飛ばした。

自治体との取り組みがいかに重要かを語ったのは大河正明チェアマンだ。「Bリーグ開幕に向けていろんな取り組みをしてきましたが、その中で一番大きなハードルとなったのがホームタウンを定めて、ホームアリーナで8割以上の試合をしていくことです。これは今までになかったことなので、チームも自治体も戸惑いがあったと思います」

「そんな中、ホームタウン協定を結んで船橋で千葉ジェッツを受け入れると市長に言っていただいたこと、これがBリーグにとってどれだけありがたかったか。そんなわけで、いてもたってもいられず会見に乗り込んできました(笑)。船橋市とのホームタウン協定は、全国の36クラブが見習って同じようにやっていくと、もっとバスケットボールを中心に地域が盛り上がるんじゃないかというぐらいの取り組みです」

地域密着と観客動員への取り組みでは成果を出している千葉ジェッツ。あとはコート上での勝利という結果が求められる。

大野ヘッドコーチ「優勝できないチームではない」

会見には大野篤史ヘッドコーチを始め選手全員も登場。大野ヘッドコーチは新たに始まるBリーグへ向けて「優勝を目標にしないと優勝には届かない。目標は優勝です。優勝できないポテンシャルのチームではないと思っています」と力強く抱負を語った。

千葉ジェッツはどんなチームかという質問に対してはこう語る。「最後まであきらめない、下を向かない、最後まで戦い切るチームだと思います」と語る。「見に来ていただいているお客様に、また来たい、応援したいってエナジーがあると思ってもらいたい。そう思っています」

「アグレッシブなディフェンスからどんどんオフェンスの回数を増やして、アップテンポなバスケットを展開できるように、選手の良いところを出せるようにしたいです。インサイドで勝てる選手もいるし、良いシューターがいるし、スピードのあるポイントガードもいます。欠点はないと思っています」

地元出身のシューティングガード、石井講祐はこう語る。「船橋の名前が入ることで、地域の皆さんも『自分の街のチーム』ということを認識しやすくなると思います。選手としても船橋との連携を強化して、船橋の皆さんが誇りに思えるような選手だったりチームになるべきだという責任感が増してくると思います」

昨シーズンはNBL最多となるホームゲーム観客動員10万人を突破した千葉ジェッツだが、成績はリーグ8位で、ギリギリでプレーオフに進出するも勝ち上がることはできなかった。観客動員と地域密着の優等生が新たなBリーグで目指すのは、『強いチーム』であることを結果で示すことだ。

キャプテンの小野龍猛、若き司令塔の富樫勇樹、新加入のマイケル・パーカーと駒は揃っている。Bリーグ開幕に向け、千葉ジェッツは準備万端だ。