シーホース三河

カイル・コリンズワースは3試合連続でトリプル・ダブルを記録

シーホース三河vs広島ドラゴンフライズの4月3日の代替試合となった水曜ナイトゲームは、第2クォーターを圧倒した三河が83-74で勝利した。

三河は24日の島根スサノオマジック戦でダバンテ・ガードナーとシェーン・ウィティングトンが相次いで負傷。この試合でもウィティングトンはプレーせず、ガードナーはベンチからのスタートとなった。そのためゲーム序盤はカイル・コリンズワースのみの『オン1』となったが、エースの金丸晃輔が積極的なドライブやミドルシュートに3ポイントシュートで第1クォーターだけで11得点を挙げる活躍でチームを牽引。しかし、ディフェンスではグレゴリー・エチェニケの体格を生かしたポストプレーを止めることができずに、2点ビハインドで第1クォーターを終えた。

それでも第2クォーターにコンディションが万全ではないガードナーが、インサイドではなくミドルや3ポイントシュートで得点を重ねることで、ディフェンスを外に引き付ける。そこで生まれたインサイドのスペースを使って、シェーファー・アヴィ幸樹が川村卓也とのピック&ロールから連続でダンクシュートを沈め、チームに勢いを与えた。

ディフェンスでもガードナーがエチェニケのアドバンテージを消し、第2クォーターを無得点に抑えることに成功。広島のペイントアタックに対しても、シェーファーや川村、コリンズワースがヘルプに入り、そのままリバウンドを制したことで開始4分間を11-0とし、47-32で試合を折り返した。

後半に入っても三河のペースは落ちない。ガードナーがいない時間帯でも、金丸やシェーファーが得点でチームを牽引し、ここまで2試合連続でトリプル・ダブルのコリンズワースがリバウンドを制して、セカンドチャンスへと繋げていく。また、コリンズワースはアイザイア・マーフィーとの1on1でも、身体を上手に当てながらフックシュートを決めるなど違いを見せた。

リズムをつかんだ三河は、最終クォーターの開始2分半に長野誠史が3ポイントシュートを決めて、リードを20得点にまで広げて勝利を収めた。三河は金丸がゲームハイの18得点を記録し、ガードナーが16得点2リバウンド3アシスト、シェーファーが13得点5リバウンド2アシスト、コリンズワースが11得点18リバウンド10アシストで3試合連続でのトリプル・ダブルを記録した。

シーホース三河

「本当に後がない状況の中で、選手が集中してやるべきことをやってくれた」

広島もゲームを通じて74得点を挙げる奮闘を見せたが、エチェニケのアドバンテージが生かせなくなるとミスが相次ぎ、 10-27で終えた第2クォーターのダメージが大きすぎた。

尺野将太ヘッドコーチは「金丸選手の素晴らしいプレーに対して、ディフェンスを頑張っていろいろ試しましたが、なかなか止めることができませんでした」と振り返った。「そこからオフェンスも重たい展開になり、三河さんがやりたいバスケのペースに持ち込まれてしまいました」

敗れはしたが、良い気づきもあったと言う。「ボールがないところでのスクリーンを今日はかなりやられたので、そこを見直すきっかけになりました。広島は残り3試合ですが、まだまだ挑戦してステップアップしていきたいです」

三河は新型コロナウイルスによる試合中止のブレイクを挟むと約1カ月ぶりの勝利となり、ホームでの勝利は3月7日以来となった。現在西地区3位に位置し、チャンピオンシップ進出が懸かっている三河にとって、この1勝は大きな意味がある。鈴木貴美一ヘッドコーチは「本当に後がない、勝たなきゃいけない状況の中で、選手が集中してやるべきことをやってくれました。広島は乗ると怖いチームなので最後まで気が抜けないゲームでしたが、勝てて良かったです」と安堵の表情を見せた。

そして残りの5試合に向けて「万全ではないですけど、とにかく今できることを精一杯やっていく。ディフェンスが中心にはなりますが、そこをしっかりやっていきたいです」と意気込んだ。