チームのリズムと彼のエナジーが噛み合うことで大活躍
ウィザーズはシーズン終盤になってようやく主力選手の個性が噛み合い、ブラッドリー・ビールとラッセル・ウェストブルックのコンビが強烈なパフォーマンスでチームを牽引している。現地26日のスパーズ戦、オーバータイムの激戦を落として連勝は8で止まったが、ウェストブルックは22得点13リバウンド14アシストでまたもトリプル・ダブルを記録。今シーズンのトリプル・ダブルは29回目、4月に入って12回はNBAの月間トリプル・ダブルの記録だ。
21.8得点、11.0リバウンド、11.0アシストでここまで『平均トリプル・ダブル』。ウィザーズに移籍した当初は彼のエナジーとチームのリズムが噛み合わず、空回りばかりが続いていたが、噛み合った今はその恐るべきポテンシャルを存分に発揮している。
ただ、ウェストブルックは誤解されることの多い選手でもある。勝利よりスタッツを優先している、自分勝手、ピークは過ぎた……。そう見られる傾向は今も変わっていない。それは、トリプル・ダブルの価値が低く見られていることも意味する。ウェストブルックほど頻繁ではないにせよ、以前に比べればトリプル・ダブルはたくさん出るようになった。ただ、それは簡単になったわけではない。
「僕がやっていると簡単そうに見えるのかもしれないね。でも、言っておくけど全然簡単じゃないよ。正直に言えば、僕のような選手は他にいないと思っている。これが当たり前のことだと思われているなら残念だ」とウェストブルックは言う。
オールスターに選ばれず、その是非が議論されることもない。MVPの候補だとは見なされていない。どんな評価が正しいのかは別にして、少なくとも過小評価されているのは間違いない。ただ、彼にとっては慣れたこと。「誰にどう思われても気にしないようにしている。僕がやっていることの価値を認めないというのは、どういうことかちょっと興味深いよね」
オスカー・ロバートソンの持つトリプル・ダブルの最多記録まであと7回。レギュラーシーズン残り11試合で達成するのは流石に難しいかもしれないが、この調子ならもしかしたら、という期待もある。チームは序盤戦のつまずきが響いていまだ勝率5割が遠く、プレーイン・トーナメント進出を争っている状況。シーズン終盤、ウェストブルックは今まで以上にチームを引っ張らなければならない。その意気込みがまたトリプル・ダブルを生み出すはずだ。