「2位になってチャンピオンシップをホーム開催したい」
川崎ブレイブサンダースは敵地で宇都宮ブレックスとのGAME1を戦った。天皇杯ファイナルで宇都宮を破り優勝した後、3月3日の対戦では54-58と超ロースコアゲームの末に敗れている。そして今回も前半を終えて27-26と超ロースコアの展開となったが、第3クォーターにビッグランを作り、終盤の猛反撃を振り切って58-57で勝利を収めている。
試合が動いたのは第3クォーターだった。ニック・ファジーカス、ジョーダン・ヒース、パブロ・アギラールのビッグラインナップで宇都宮の強力インサイドを沈黙させる時間が続くうちに、宇都宮のディフェンスが少しだけ綻びを見せたところをファジーカスが突く。天皇杯でもビッグラインナップが機能したことが大きな勝因となったが、この時のファジーカスは11得点6アシストと、相手の出方を見てシュートよりもパスでのチャンスメークを多く選択していた。
それが今回はシュートを選択し、宇都宮ディフェンスのギャップを突くペリメーターシュートを高確率で決めた。第3クォーター残り8分からの6分半で17-4のラン。この間にファジーカスは14得点を荒稼ぎしている。
こうして46-32までリードを広げたが、それでもビッグラインナップを引っ張ったことで、勝負の第4クォーターでペースダウン。それまで抑えていたセカンドチャンスポイントを宇都宮に奪われるようになって点差を詰められる。また、両チームともに当たりの来なかった3ポイントシュートが土壇場で遠藤祐亮、ライアン・ロシターと宇都宮の側に飛び出し、残り27秒で1点差と肉薄された。
続くポゼッション、時間を使った上で得点したいところだったが、ファジーカスが運ぶボールをロシターに引っ掛けられる痛恨のスティールを浴びる。しかし、そのまま持ち上がったロシターのシュートを、ハリーバックしたヒースが間一髪のブロックショットではじき出した。
藤井祐眞は「いつものことではありますが、宇都宮さんとの試合はロースコアで我慢比べの展開になります」と試合を振り返る。「途中で10点くらいの差をつけて、そのままの流れのまま行けたら良かったのですが、オフェンスでうまくいかない時間帯もしっかりとディフェンスして逆転を許さなかったことが大きかったと思います」
2月、3月、4月と1敗ずつしか喫することなく、2月以降の20試合で17勝3敗と巻き返した川崎は、これでチャンピオンシップ進出を決めた。超ロースコアの展開で価値ある26得点を挙げたファジーカスは、それでも「2位になってチャンピオンシップをホーム開催したい。タフな相手との戦いが残っていますが、しっかりと勝っていきたい」と、残り4試合での必勝を誓った。
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