安間志織

得点、リバウンド、アシスト、3ポイントシュート成功率でキャリアハイを更新

「正直、選ばれると思っていませんでした」。こう語るのは、東京オリンピックで金メダル獲得を目指すバスケ女子日本代表の第2次強化合宿に参加している安間志織だ。

2017年にユニバーシアード競技大会で50年ぶりに銀メダル獲得、2018年にはアジア競技大会で銅メダル獲得の実績を持つ安間だが、どれも若手中心で組まれたB代表であり、A代表とはあまり縁がなかった。

それでも東京オリンピック開催が1年延期となって迎えたWリーグの今シーズン、安間はレギュラーシーズン20試合に出場し、平均10.2得点、3.8リバウンド、5.4アシスト、3ポイントシュート成功率39.5%とすべてのスタッツでキャリアハイを更新した。特にENEOSサンフラワーズと対戦したプレーオフファイナルでは平均12.0得点、10.0アシストのダブル・ダブルに加え8.5リバウンドを記録。数字だけでなく冷静なゲームメークに加えて、勝負どころでは自らシュートを沈めて、粘るENEOSを突き放してリーグ初優勝に貢献し、プレーオフMVPにも選出されるなど、大きく飛躍した1年となった。

今シーズンの安間の活躍を見れば、A代表選出は当然のこと。安間自身は「選ばれると思っていなかった」としつつも、こう続けた。「何で呼ばれたのかなと考えた時に、3ポイントシュートも自信を持って打てているし、2、3年前よりは本当に余裕を持ってプレーできています。A代表で求められていることは何なのかをしっかり考えながらやっていきたいです」

安間志織

「速いバスケットに持っていく自信はあります」

女子日本代表チームの指揮官トム・ホーバスが求めるバスケットはフォーメーションが多く、初選出の選手は口を揃えて「システムを覚えるのが大変」と言う。安間も例外ではなく「今は覚えるのに必死です」と答える一方で、冷静に状況を把握している。「今シーズンは3ポイントシュートも自信を持ってできていますし、このチームにはアシストも必要だと思っています。自分のシュートを狙いながらドライブを生かしてアシストもできたら良いなと思います。トムさんのバスケットをやっている期間はまだ浅いですが、私らしくやっていけたらと思います」

ここでの経験は浅いが、所属するトヨタ自動車も代表チームと同じくスピードを生かした『速いバスケット』を持ち味としている。その点では「トヨタもディフェンスからの速いバスケットをしていますし、ここも速い攻めは意識しているので、あまり大きな変化はありません。これから細かい戦術は課題になるかと思いますが、速いバスケットに持っていく自信はあります」と力強く語った。

今回は強化合宿ではあるが、メンバー選考を兼ねたトライアルでもある。今シーズンに飛躍したことで新たにチャンスをつかんだ安間は「常に高いレベルで練習できることが今は楽しいです」と、この状況を楽しみながら日々の練習に励んでいる。

「私はオリンピック以前に代表経験が少ないですが、小さいなりにスピードを生かしながら自信を持ってやっていけば通用する部分はあると思います。このチャンスを生かせられるように、毎日アグレッシブに自信を持って練習からやっていきたいです」