ラメロ・ボール

新人王の有力候補、手首の柔軟性を取り戻したら復帰へ

ホーネッツのラメロ・ボールは、3月20日のクリッパーズ戦で右手首を骨折した。シーズン残り試合すべてを欠場する可能性もあったが、ホーネッツは彼の手首が治り、今週から個人練習を再開させたことを発表している。まだしばらく時間はかかるだろうが、遅くとも今月末には復帰し、レギュラーシーズン最後の10試合程度を戦うことができそうだ。

ドラフト全体3位で指名されたラメロは、即戦力の期待に応えて平均15.9得点、5.9リバウンド、6.1アシストを記録。離脱前までは今シーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤーの最有力候補だった。

昨年のドラフトは『不作の年』と呼ばれ、また新型コロナウイルスの感染拡大によりNCAAトーナメントは中止となり、ドラフトされてすぐにトレーニングキャンプが始まり、1カ月後にはシーズン開幕を迎えた。準備不足の中で迎えたルーキーイヤーだけに、どの選手も持ち味を発揮するのに時間がかかっている。その中でラメロは、オーストラリアでのプロ経験を生かしてシーズン序盤からNBAのレベルにフィットし、1月にはNBA史上最年少でトリプル・ダブルを達成、また先発にも定着して評価を高めていた。

ラメロのプレーはまだまだ粗削りだが、人を魅了するものがある。優れたスキルと味方を使う視野、セオリーに収まりきらない独創性。それでも、ミスを減らし、より効率の良いプレーを選択して、ペイントエリアを攻めて自分で得点する能力を示すことはまだできるはず。彼にとって今シーズンまたプレーする機会を得られることは、成長の大きな助けとなる。もちろん、プレーイントーナメント圏内にいるホーネッツにとっても、ラメロの復帰は大歓迎だ。

実際に彼が復帰するには、これまでギブスで固定されていた手首の柔軟性を取り戻すことが必要となる。先日、会見に応じたラメロは「いつ復帰するかはまだ何も決まっていないけど、昨日に比べても良くなっているのが分かる。日々様子を見ながらだ」と語る。

「ホーネッツは強いチームだ。才能ある選手がたくさんいて、チームとしてもまとまっている。それでも自分がプレーできずに、サイドラインから見てなきゃいけないのはつらいよ。良い戦いはしているけど、もう少し勝てたとも思っている」

若いラメロにとって、待つのが一番大変な作業だろう。フラストレーションの溜まる時期はそろそろ終わり。コートに戻って来た時にさらに進化した姿が見られるのかどうか、彼の復帰を期待して待ちたい。