デニス・シュルーダー

指揮官ボーゲルも「彼の戦う姿勢が大好きだ」

現地4月10日に行われたレイカーズvsネッツは、後半を65-43と圧倒したレイカーズが126-101で勝利を収めた。

この試合の後半開始から約2分が経過したところで、デニス・シュルーダーとカイリー・アービングが衝突した。ドライブで仕掛けたシュルーダーと、そのコースを塞いで守ろうとしたアービングが接触。このプレーはアービングのファウルと判定されたが、2人は激しく口論することに。この時点で両者にテクニカルファウルが宣告されたが、ヒートアップした2人は収まらない。アービングは文句を言い続けて2度目のテクニカルをコールされ、そのアービングに挑発的に手を振ったシュルーダーも2度目のテクニカルで、両者退場となった。

この時点で4点のビハインドを背負っていたネッツは失速。ジェームズ・ハーデンが欠場している上にアービングが退場になってはプレーメーカーがいない。試合再開から2-15とレイカーズに走られて劣勢に追いやられたネッツは早々に勝負をあきらめた。

勝利した後ではあるが、会見に応じたシュルーダーは反省しきり。「試合に勝ちたい気持ちが出た結果だけど、自分でも何をしてしまったのか分からない。不必要な行為だったし、チームに迷惑をかけてしまった。みんなには謝罪したよ」

最初のテクニカルは熱く戦った結果だとしても『バイバイ』をして受けた2つ目のテクニカルは明らかにやりすぎだった。それでもシュルーダーは状況を理解していなかったと言う。「最初のテクニカルに気付いていなかった。彼だけテクニカルをコールされたと思っていたんだ。それから彼がずっと僕にしゃべり続けていて、退場になったのは分かった。僕は『じゃあな』と言ったけど、彼に手を振ったかどうかは分からない。多分そうしたんだろうな。それで退場だと言われたんだから。でも起きてしまったことはどうしようもない。前に進むことだけを考えたい」

シュルーダーはこの4日前のラプターズ戦でも激しいアタックを続けた結果、OG・アヌノビーに投げ飛ばされ、そこからモントレズ・ハレルとアヌノビーが揉み合いになって両者退場となっている。相手をイラつかせる激しいプレーはシュルーダーの持ち味。これからプレーヤーとしてさらに成長し、活躍していく中で、多くの敵を作っていくだろう。

レイカーズのヘッドコーチを務めるフランク・ボーゲルは、「2つ目は余計だった」としながらも必要以上にシュルーダーを責めず、「退場を抜きにすれば、あの2人のマッチアップは見応えがあった。私は彼の戦う姿勢が大好きだ」と語る。

スティーブ・ナッシュもシュルーダーの名前こそ挙げなかったが、退場劇の後に闘志をむき出しにしたレイカーズの選手たちも含めて、その姿勢を称えた。「彼らの激しさ、フィジカルの強さに屈した。先に攻撃を仕掛けられ、フィジカルと気持ちの強さで勝てなかった。両チームともに多くの選手を欠いていたが、チャンスを得た選手たちが目を輝かせ、激しくプレーしたのは向こうだった」

レギュラーシーズンでレイカーズとネッツの対戦は残っておらず、再びの対戦があるとすればNBAファイナルとなる。レイカーズvsネッツは混戦の今シーズンにおいてもNBAファイナルで実現することが最も濃厚なカードの一つで、そこでシュルーダーとカイリーが再戦するとなれば、今回生まれた因縁が勝負を盛り上げる大きな要素となりそうだ。