竹内公輔

ギブスと竹内公輔、ベンチから出たビッグマンが大仕事

レバンガ北海道がホームに宇都宮ブレックスを迎えた一戦。昨日の第1戦は宇都宮が前半から大量リードを奪い、プレータイムをシェアして余力十分の勝利を収めていたが、今日の第2戦は北海道の頑張りが際立つ大接戦となった。

リバウンドで31-50と圧倒され、特にオフェンスリバウンドで5-20、セカンドチャンスポイントでは5-27と圧倒された第1戦から、北海道はリバウンドを改善。ライアン・ロシターとジョシュ・スコットの安定感あるインサイド陣に、ジャワッド・ウィリアムズが戦線離脱している北海道が対抗するのは簡単ではない。それでも試合序盤でファウルが溜まるのを避けながら、ダブルチームとボックスアウトを徹底。若きエースのニック・メイヨとファイ・パプ月瑠を中心としながら、控えビッグマンの玉木祥護も含めて全員のハードワークで宇都宮と渡り合った。

前半のラストプレーは葛原大智のスティールから、速攻に走ったメイヨのブザービーター。これで30-30と追い付いた北海道は、後半に入っても粘りのバスケを展開する。

ただ、良いパフォーマンスで互角に渡り合っても、そこで簡単に崩れず、様々な引き出しを用いて自分たちの流れを作り出すのが、このリーグで最も安定感のある宇都宮の強さだ。それが出たのは第3クォーター半ばを過ぎたところから。徹底した対策にリズムを乱されたロシターとスコットが立ち直れない状況で、ベンチから出たジェフ・ギブスと竹内公輔が流れを引き寄せる。相手のスタミナが落ちてきた時間帯にパワフルな攻めを見せるギブスは、前半は無得点だったが第3クォーターに11得点を固め打ち。攻撃が手詰まりになった時には竹内が良いポジションを取ってパスを呼び込み、得点を繋いだ。

この2人が作り出す優位を生かす形で比江島やテーブス海も積極性を取り戻す。5点リードで迎えた最終クォーターも良い流れを途切れさせず、残り2分半で比江島ステップからのバスケット・カウントが決まり、71-60と宇都宮がこの試合で初の2桁リードを奪った。

しかし北海道はあきらめずに試合のテンポを上げ、13点差の残り1分からジョーダン・テイラーの強引なアタック、中野司の速攻からの連続得点と猛追を見せる。これが宇都宮の珍しいミスを誘い、残り20秒にリスタートのパスが合わなかったところをメイヨがスティール。メイヨがそのまま3ポイントラインの外にステップバックしてのシュートを沈め、74-77と1ポゼッション差に肉薄した。

中野司

攻めの姿勢を貫いた中野司「プレーの幅が拡げられた」

ただ、ここでも立ちはだかったギブスが、ファウルゲームのフリースロー4本を確実に決めて、81-76で勝ちきった。宇都宮が大いに苦しみながらも、土壇場で崩れないタフな戦いぶりで連勝を7へと伸ばした。ギブスは18分半の出場で19得点を記録。苦しい場面でこそ頼りになる存在感を見せた。

北海道はこれで5連敗。それでもケガ人続出の状況で宇都宮を相手に最後まで食らい付く戦いができたことには意味がある。この試合は北海きたえーるでのシーズン最終戦。入場者数を制限される中でもシーズン最多となる2761名の観客がアリーナに足を運び、選手たちも気合いが入ったことだろう。この力をコンスタントに出せるようになれば勝ち星は伸びるに違いない。

北海道の宮永雄太ヘッドコーチは「昨日の課題であった相手に走られるシーンやリバウンドの部分を修正して臨み、選手は全力でチームプランを遂行してくれた」と語るとともに、「最後の勝敗の部分はヘッドコーチである自分の責任であって、選手はよくやってくれた」と、その戦いぶりを称えた。

タイラーは29得点、メイヨは22得点と活躍。攻めの姿勢を貫いた中野司、我慢強く耐えたパプと玉木も自信を得られる一戦だったはずだ。昨日は8得点、今日は10得点を挙げた中野はこう語る。「個人的にはコーチ陣から指示されていた外からのシュートだけでなく、アタックしていけたところはプレーの幅が拡げられたので良かったと思います。どうしてもニック選手、テイラー選手に託してしまう時間が多くなっているので、自分を含め、周りのメンバーでカバーしていけるように、次の試合に向けて準備していきたい」