立ち上がりに失敗するもベテラン勢がディフェンスを締めて立て直す
富山グラウジーズvsサンロッカーズ渋谷の第2戦。自分たちが『マジッククォーター』と呼ぶ第3クォーターを25-16として流れを呼び込んだ富山が93-82で勝利した。
結果的には11点差での勝利となったが、富山はSR渋谷のプレッシャーに煽られ、第1クォーターの残り3分半で6-23と大量ビハインドを背負うことに。浜口炎ヘッドコーチはここで早くも前半2回目のタイムアウトを使い、立て直しを図る。スタメンは大黒柱のジョシュア・スミスとジュリアン・マブンガだけを残して、ベテランの阿部友和、水戸健史、城宝匡史コートに送り出した。
浜口ヘッドコーチが試合後のコートインタビューで「立ち上がりは苦しかったですが、友和、健史、匡史のベテラン勢がベンチから出てゲームを戻してくれました」と称えたように、ベテラン勢の隙のないゾーンディフェンスが試合の流れを変えた。SR渋谷のペイントアタックやキックアウトからの3ポイントシュートを塞ぎ、オフェンスのリズムを崩すことに成功。序盤は簡単に得点を許して、そこからのオールコートマンツーマンに苦しんだが、ディフェンスを立て直したことで、リバウンドからのトランジションが出せるようになり、オフェンスにもリズムが生まれ点差を縮めていった。しかし、SR渋谷のプレッシャーを受けて富山は前半だけで12本ものターンオーバーを犯し、そこから17得点を献上したこともあり、35-45と10点ビハインドで試合を折り返した。
後半になると富山は先発メンバーに戻す。前半はSR渋谷のディフェンスに苦戦したが、後半になると逆にその強度を利用してマブンガやスミス、岡田侑大がディフェンスを外に引き寄せてインサイドにスペースを作り出す。そこに宇都直輝がカットインして得点を挙げて点差を縮めていった。また、宇都はディフェンスやルーズボールでもハッスルしてチームを鼓舞し、第3クォーターの残り4分には宇都がハッスルして奪ったオフェンスリバウンドから岡田が3ポイントシュートを沈めて54-54と同点に。その後は拮抗し60-61で最終クォーターを迎えた。
スミスは得点とリバウンドで20-20超えを達成
最終クォーターになるとインサイドでスミスが違いを見せる。スミスはポストプレーやリバウンド争いから、シュートが決まらなくてもファウルを奪いフリースローを獲得する。さらに、セカンドチャンスが決まらなくてもサードチャンスまで粘ってインサイドを支配してリードを広げていった。そして最終クォーターの残り3分半、マブンガがオープン3ポイントシュートを決めて78-68と2桁リードに。その後も富山は攻守ともに強度を落とすことなくリードを守りきって勝利した。
前半はミスが相次いだ富山だったが、後半のターンオーバーは2本のみ。この試合ではリバウンドを45-26とし、セカンドチャンスポイントでも21-4と圧倒した。また、フリースローからの得点でも27-7と大差をつけた。
勝利の立役者となったスミスは、フリースローの10得点を含む24得点22リバウンド4アシスト1ブロックと大暴れ。第1戦で40分間フル出場し、この試合でも39分55秒とほぼほぼフル出場となったにもかかわらず、インサイドでの存在感は全く衰えなかった。またSR渋谷はライアン・ケリーが34得点を挙げたものの、他の選手の得点は1桁に留まったのに対して、富山はマブンガが23得点、岡田が15得点、宇都が12得点とバランスの良いオフェンスを展開したことが勝利に繋がった。