2019年のワールドカップ、その先の東京五輪を目指して
バスケットボールの女子日本代表はリオ五輪で誇らしい戦いを演じた。一方、リオ行きを逃した男子の代表チームは、2019年のワールドカップ、2020年の東京オリンピックに向けた正式なスタートを切ろうとしている。
9月9日(金)から18日(日)までイランのテヘランで開催される『2016 FIBA ASIAチャレンジ』に参戦する男子日本代表が練習を公開した。
今回の大会は、来年開催の『FIBAアジアカップ』の出場枠を懸けた大会。国に与えられる出場権ではなく、地域に与えられる出場「枠」を懸けた戦いであることに注意したい。『FIBAアジアカップ』には16カ国が出場するが、日本を含む東アジアに割り振られているのは2枠のみ。東アジアのチームがこの大会で5位以上に入れば新たな枠を獲得できる。よって日本は、同じ『東アジアサブゾーン』に属する中国、韓国、チャイニーズ・タイペイとともに5位以内の成績を目指す。
2枠からの上積みを勝ち取れなかったとしたら、日本はアジアカップ出場さえおぼつかなくなる。逆に日本を含む東アジアの各国が躍進すれば、今大会に参加する4チーム分の枠を押さえることも可能だ。日本としては国際大会での経験を若い選手に積ませるだけでなく、「枠」という結果を持ち帰ることが求められる。
得点力不足を解消し、アジア上位をキープすることが目標
今回のメンバーは、7月に台湾で行われたジョーンズカップ、8月にジョージ・ワシントン大を招いた国際親善試合を経て一つのチームにまとまりつつあり、世界への挑戦に向けて新たなスタートを切る準備は整った。
長谷川健志ヘッドコーチは「出るからには優勝すること」と目標を掲げる。「代表である以上、今のチームが最強のチームであり、大会に出るからには優勝を狙います。アジアの上位に入ることを継続していくのが大事です。今すぐにアメリカやリオ五輪の上位国に勝とうと言っても、そこは順番がある。まずはアジアで、今回のメンバーで上位4つをキープすることです」
今大会のテーマについて、「足りないことはいっぱいある」と前置きしながらも、長谷川ヘッドコーチは得点力不足を課題に挙げた。「スピーディーな展開の中でチャンスを作ってスコアを伸ばさないと。どんなにディフェンスを頑張っても、アジアのチームを60点以内に抑えるのは難しいので、75点というスコアを取れるように、期間は短いがやっていきたい」
まずは個々の選手のメンタル面、積極性だ。「みんなが最後のフィニッシャーになろうという気持ちが弱いのは気になります。みんなで協力するのはバスケットの基本ですが、最後に点を取るのは一人ですから。そういうところがもっと出てきてほしい」と指揮官は言う。
それでも、お盆時期のジョージ・ワシントン大との対戦での出来に比べると、選手の動きにはキレが増し、オフが明けてコンディションが日ごとに向上していることが感じられる。刺激には事欠かない国際舞台で、チームに良い化学反応が起きることに期待したい。
『2016 FIBA ASIAチャレンジ』グループ分けと日本代表のスケジュール
グループA 中国、ヨルダン、カザフスタン
グループB フィリピン、インド、チャイニーズ・タイペイ
グループC イラン、カタール、イラク
グループD 日本、韓国、タイ
9月 9日(金) 日本vs韓国
9月11日(日) 日本vsタイ
9月12日(月) 日本vsグループCのチーム
9月13日(火) 日本vsグループCのチーム
9月14日(水) 日本vsグループCのチーム
9月16日(金) 準々決勝
9月17日(土) 準決勝、順位決定戦
9月18日(日) 決勝、順位決定戦