テレンス・マン

「僕が中学から高校の時期、ロンドはボストンにいた」

テレンス・マンは24歳、NBAキャリア2年目のシューティングガードだ。今シーズンになってプレータイムが伸び、最近ではルーク・ケナードと同じぐらい起用されるようになった。ガードとしてアウトサイドシュートの精度はまだ課題でアシストも少ないが、アグレッシブなディフェンス、リバウンドやルーズボールへの執着心、またリムにアタックする積極性と、身体能力を生かして攻守にエナジーの出せる選手だ。

そのマンはセブンティシクサーズ戦でフィールドゴール19本中13本を成功させ29得点、さらには7リバウンド6アシストを記録。東カンファレンスで首位を走るチームを撃破する立役者となった。

その彼にとって大きな刺激となっているのは、クリッパーズがトレードデッドラインにラジョン・ロンドを獲得したことだ。マンはニューヨーク生まれだが、少年時代を過ごしたのはマサチューセッツ州。その州都であるボストンに本拠地を置くセルティックスは、ロンドがキャリア前半を過ごし、最初のNBAタイトルを勝ち取ったチームだ。

「僕が中学から高校の時期、ロンドはボストンでプレーしていた。僕は彼の大ファンだったよ。頭脳的な選手で、あらゆる面でチームにプラスをもたらすことができて、偉大なポイントガードであり……いや、理由は『ロンドだから』だけで十分だよね(笑)。彼のルーキーカードはずっと財布に入れてある。中学生の時に誰かからもらって、ずっと持っているんだ。僕にとっては幸運のお守りみたいなものさ。サインをもらわなきゃね(笑)」

ロンドはまだクリッパーズでプレーしていないが、シクサーズ戦ではチームに帯同していた。35歳の彼は、現役引退後に指導者になりたいとの考えを公言している。レイカーズではルーク・ウォルトンとフランク・ボーゲルの下で、コーチ用のロッカールームを使い、スタッフミーティングにも参加しており、選手兼アシスタントコーチのような立場にあった。そんなロンドはマンにとって、単なるメンターを超えて最善の指導者になるかもしれない。

なにせロンドは教え魔だ。遠征の飛行機でのお気に入りの過ごし方は、若手に試合映像を見せて改善点について意見交換をすること。オフの日には傘下のGリーグチームに行き、若手にアドバイスをする。プレーメークとアシストはもちろん、複数のオールスター選手を擁するチームで若手がどう振る舞えばいいのかも教えてくれるだろう。

そのすべてが若いマンにとってはプラスに働くはずだ。なにせロンドは彼にとっての『幸運のお守り』なのだから。