ニック・メイヨが37得点と試合を支配
レバンガ北海道が敵地でアルバルク東京と対戦。ニック・メイヨがフィールドゴール19本中15本成功の37得点を挙げ試合を支配するなど、オフェンスが爆発した北海道が96-79で圧勝。オーバータイムの末に敗れた前日の雪辱を果たした。
第1クォーター、北海道は中野司の3ポイントシュートなどで7-0と先手を取るが、A東京も小酒部泰暉の連続得点で応戦する。その後、北海道はメイヨが得点を量産する一方、A東京はこのクォーターで4本の3ポイントシュートと長距離砲を効果的に沈め互角の展開で終える。
第2クォーターに入ると、北海道が一気に主導権を握る。出だしで葛原大智がフローターを連続で決めて勢いを与えると、チーム全体で縦へアタックする意識を高めてディフェンスのズレを作り出した。その結果、このクォーターでフィールドゴール15本中11本成功と高確率でシュートを決め続けた。逆にA東京は守備で簡単に突破されることでリズムを崩し、外からの単発なオフェンスが続いたことで10得点に終わる。
北海道が18点リードで試合を折り返したが、後半に入るとA東京も意地を見せる。第3クォーター序盤はテンポの良いパス回しからデション・トーマスがインサイドでフィニッシュまで持っていく自分たちのオフェンスによる連続得点で波に乗った。残り6分40秒にはケビン・ジョーンズの3ポイントシュートで10点差にまで縮めることに成功した。
だが、ここで北海道はジョーダン・テイラーが、ゴール下への鋭いアタックで得点を重ね、A東京に傾いた流れを断ち切る。そして、第3クォーター終了間際にはジャワッド・ウィリアムズが3ポイントシュートを沈め、71-51と点差を20の大台に乗せたところで勝負を決定づけた。
ルカヘッドコーチ「我々の方に流れが来ることが全くなかった」
北海道の宮永雄太ヘッドコーチは、大量得点にも一番の勝因が守備にあったと語る。「昨日は長い時間、我々の流れを作りながら非常に悔しい負け方をしました。それに対して、今日はボールへのプレッシャー、ディナイ、相手のピック&ロールを激しく守るといった自分たちのやるべき基本的な部分を選手たちがしっかりプレーしてくれました。本当に大きな勝利だと思います」
また、20分の出場で14得点を挙げたジョーダン・テイラーは「今シーズンのベストと言えるような試合だったと思います。」と語り、チーム一丸となって戦えたからこその勝利と強調する。「メイヨ選手の得点は素晴らしかったですが、それだけでなく中野選手、葛原選手、橋本選手がディフェンスのトーンをセットしてくれました。重要な時間帯に彼らが大きな役割を果たしてくれたことで結果に繋がりました。全員がしっかりディフェンスを行いました」
そして、第3クォーターで自ら積極的に仕掛けた点について、ポイントガードとしてボールシェアを重視する中でも、「A東京さんがメイヨ選手を止めにくるのは予測できていました。そこはポイントガードとしてアグレッシブに行く時間帯で、アタックすることでファウルをもらえてフリースローを打てると思っていました」と意図する攻めができたと振り返っている。
一方、A東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチは、「今日は我々の方に流れが来ることが全くなかったです」と完敗を認める。「入りのディフェンスがかなり甘かった認識です。なんとか食らいつきたい気持ちはありましたが、フィジカル面でフレッシュではなく、強いプレーが今日は全くできなかったのが敗因です」
そしてパヴィチェヴィッチは、アレックス・カークの負傷もあって特にビッグマン2人のコンディションが厳しく、それがメイヨに大暴れを許す要因になったとも語る。「ジョーンズ選手、トーマス選手と我々のビッグマンは、カーク選手の負傷でプレータイムも伸び、7日間で5試合とタフな日程から疲労が溜まっているのは事実です。そこでフィジカル面で止められず、ピック&ロールやポップに対していつも通りのディフェンスができなかったです」
A東京はチャンピオンシップ出場へ向け厳しい戦いが続く。次の試合は水曜日で相手は強力インサイド陣の川崎ブレイブサンダースとあって、インサイド陣の奮起が不可欠だ。田中大貴、カークとチームの要の欠場が続き、大きな踏ん張りどころを迎えている。