「ベンチからより先発の方が活躍ができる」
ケリー・ウーブレイJr.は今シーズン開幕前にサンズからウォリアーズに加わった、NBAキャリア6年目の25歳。対人のディフェンス能力に優れ、クイックネスとシュート力を兼ね備えたシューティングガードで、今シーズン全休となったクレイ・トンプソンの穴を埋める働きを見せている。
その彼は今シーズン終了後に完全フリーエージェントとなるため、このトレードデッドラインでウォリアーズを離れるとの噂もあった。しかしウォリアーズが動いたのはサラリー削減だけで、ウーブレイJr.はチームに残った。
開幕当初こそチームにフィットするのに苦労したウーブレイJr.だが、今はコンスタントに活躍できるようになった。ケガ人の多いチームを好守で支えるウイングとしてフル回転している。こうなるとウォリアーズとしては、新たな契約を結んでチーム再建を前進させたいところだが、彼自身は数日前の会見で「これはビジネスだ」と慎重な態度を示している。
「僕はウォリアーズが好きだし、長くここにいたいと思う。でも、これはビジネスだ。僕はこのリーグで成長しているし、ベンチからより先発の方が活躍ができる。でも、今の僕の状況で将来を語ることはできない。今シーズンの目標を達成するため、チームのために全力を尽くす。この夏にどんな決断を下すかは、また次のステップでの話だよ」
ウーブレイJr.が荷物をまとめて他のチームに移っていないということは、ウォリアーズが今後のチーム構想に彼を含めていることを意味する。ただ、ウォリアーズが彼を満足させるだけの年俸アップと先発の座を約束するのは簡単ではない。クレイ・トンプソンが復帰してウーブレイJr.の控えを務めるとは考えづらい。そして今でもウォリアーズは超高額の贅沢税を払っており、出費はできる限り抑えなければならない。
ウォリアーズのボブ・マイヤーズGMはウーブレイJr.について「素晴らしい活躍をしているが、これからどうなるかは誰にも分からない」と答えた。「多くのチームが彼との契約を望むだろう。もちろん我々も彼を評価している。誰だって先発したいのは分かる。アンドレ・イグダーラだってそうだった。しかし、来シーズンに誰がこのチームにいて、誰が先発するのか、このタイミングで答えを出すことはできない。適切な時期になったら話せばいいんだ」
ウォリアーズとしては、若いウーブレイJr.が新契約のことに意識を奪われることなく、プレーに集中してもらいたいと思っているのだろう。ウーブレイJr.にとっても、それが最善の道だ。やるべきことにベストを尽くしていれば、道は開かれる。