アルバルク東京

バックコート陣がスペースを作り出すことでリバウンドを圧倒

アルバルク東京が秋田ノーザンハピネッツのホームに乗り込んだ水曜ナイトゲーム。前半は拮抗したが、第3クォーターを28-10と圧倒したA東京が76-62で勝利した。

A東京は序盤から秋田の攻めのディフェンスに苦戦する。ガード陣はオールコートでプレッシャーをかけられ、フロントコートに入ってもピック&ロールを封じられてしまい、人とボールが動かなくなったことで個で攻める時間が続いた。さらにデション・トーマスとケビン・ジョーンズがオフェンスリバウンドは取るものの、セカンドチャンスポイントに繋げることができずに、第1クォーターは7-14と先行された。第2クォーターに入ると攻守ともにスピードのギアを上げて、ピック&ロールではなくキックアウトや速いパス回しでズレを作ると安藤誓哉や須田侑太郎の3ポイントシュートも決まり、秋田に追いつくことに成功。

そして29-30で迎えた後半。A東京は第2クォーターのオフィシャルタイムアウト明けから起用していた2ガード体制を続ける。第1クォーターこそ、秋田の激しいディフェンスを攻めあぐねたが、ここではショウディフェンスを仕掛けられても2人目のガードがすぐにオフェンスを組み立てることで、自分たちのペースを乱さずにゲームを展開。また、安藤、小島元基、須田のバックコート陣が積極的なペイントアタックでディフェンスを収縮させてスペースを作り出すことでオープンシュートを次々と放ち、開始4分間を11-2として秋田を突き放した。その後も外と中からバランス良く得点を重ね、57-40とリードを広げて第3クォーターを終えた。

最終クォーターには秋田のアレックス・デイビスにインサイドから連続得点、保岡龍斗の積極的なアタックなどで失点を許し、点差を詰められる場面もあったが、この日、ゲームハイの18得点を挙げた安藤がドライブや3ポイントシュートを沈めることで逃げ切り、76-62で勝利した。

アルバルク東京

「攻守ともに強く、賢くプレーした結果リズムをつかむことができた」

A東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは、こう試合を総括した。「秋田とアウェーで戦う時はファンの後押しもあるので、勝利することは簡単ではありません。それでも私たちは強い気持ちを持って戦うことで勝利することができました。試合の入りはスローでリズムをつかめませんでしたが、中盤では攻守ともに強く、賢くプレーした結果リズムをつかむことができたと思います」

また、A東京はこの試合でオフェンスリバウンドを18-9とし、セカンドチャンスポイントでも17-9と圧倒した。「秋田の激しいディフェンスやヘルプによって、リバウンドのスペースが生まれたので、私たちはオフェンスリバウンドを18本も取ることができました」と指揮官が語ったように、A東京は秋田の激しいディフェンスを利用して、外へマークマンを引き寄せることに成功。インサイドで広いスペースを作り出し、リバウンドを圧倒したことが勝敗を分けた。

一方、敗れた秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは、「ゲームの入りと終わりは拮抗した展開に持ち込めて良かったですが、第3クォーターの入りから少しずつミスが出たところで東京さんにシュートを決められてしまい、その10分間がもったいなかったです」と振り返り、こう課題を語った。

「今日は自分たちのチームルールができてない部分でやられたところが気になりました。特に3ポイントシュートをキレイにやられてしまい、そこの遂行力は東京さんが完全に上でした。ペイントに入ってこられた時に、全員が寄ってしまいキックアウトされたシチュエーションが気になりました」