レブロン・ジェームズ

写真=Getty Images

シクサーズ、ロケッツへの移籍も考えたことを告白

レブロン・ジェームズが新天地に選んだのは、NBAで最も歴史あるチームの一つ、レイカーズだった。

レイカーズを選択した理由について、本人は『UNINTERRUPTED』に投稿したビデオメッセージで「歴史のあるチームが好きだった。レイカーズは優勝が相応しいチームだと信じているし、その伝統を取り戻したい」と語った。

7月31日、生まれ故郷のオハイオ州アクロンで自身が開校した学校、『The I PROMISE School』の創立式に出席したレブロンは、移籍後はじめてカメラの前に座り、質問に答えた。『ESPN』とのインタビューに応じたレブロンは、セブンティシクサーズ、ロケッツへの移籍も検討し、悩んだことを明かしている。

「ベン(シモンズ)と(ジョエル)エンビードと一緒にプレーすること、(ジェームズ)ハーデンとクリス(ポール)と一緒にプレーする可能性も十分に考えた。ただ、自分の今のキャリアを考えた時、ベストな決断はこういうことだと思ったんだ。僕がマイアミ(ヒート)に移籍した時、周りは『彼はスーパーチームに加わるんだ』という風に見たと思う。その前年、ヒートは35勝47敗だった。レイカーズの昨シーズンの戦績を見てもらいたい。僕は挑戦が好きなんだ。チームをしばらく到達していない場所に導きたい」

実際には、ヒートはレブロンが加わる1年前の2009-10シーズンに47勝35敗を記録してプレーオフに勝ち進んでいる。2006年の初優勝から低迷期を迎えつつあったのは確かだが、35勝47敗は昨シーズンのレイカーズの戦績であり、記憶が混同しているようだ。

もしシクサーズかロケッツに加わっていたら、どちらのチームも打倒ウォリアーズ最有力と言われていただろう。しかし、レブロンは『スーパーチーム』を作る風潮に乗る安易な道を選ばず、歴史あるレイカーズの復権に力を貸すことを決めた。やはり、歴史を積み上げ、偉業を成し遂げ続けている球団は、名選手を惹きつけるのだろう。

レブロンは、『UNINTERRUPTED』の動画メッセージの時と同様に、NBA史上2位の優勝16回を誇るレイカーズの歴史について、こう続けた。

「レイカーズは、ここ数年プレーオフに進出できていないけれど、彼らは歴史のあるチーム。世界中の偉大なチームと肩を並べられる存在なんだ。カウボーイズ、マンチェスター・ユナイテッド、ペイトリオッツ、セルティックスと同等。そういう歴史あるクラブに加われたのは、自分の家族、自分自身にとっても良いことだし、バスケットボールの歴史にとって素晴らしい
瞬間だと思っている」

ウォリアーズ、ロケッツら強豪ひしめく西カンファレンスの荒波に身を投じた『キング』の前には、これまで以上に高いハードルが待ち構えている。レブロンの挑戦が実を結ぶかどうか。まずは、レイカーズでの1年目となる2018-19シーズンの彼に注目したい。