シーホース三河の高橋耕陽、チームが完成するためのラストピースに「自分が出せるようになった」

シーホース三河の高橋耕陽、チームが完成するためのラストピースに「自分が出せるようになった」

2021/03/22 18:00
高橋耕陽

「シュートにいくことにマインドを変えた」ことで好転

シーホース三河は3月21日の千葉ジェッツ戦に87-85で勝利し、東西上位対決を1勝1敗で終えた。

第1戦で負傷した金丸晃輔が欠場した上、第1クォーター終盤に交代で入った川村卓也がももを負傷してその後プレーできなくなり、戦力だけを見れば三河は苦しい状況だった。それでも、苦しい時間帯をダバンテ・ガードナーが支え、セカンドユニットのメンバーもそれぞれが自分の持ち味を生かしたことで、終盤までもつれた接戦を制することができた。

この試合において、今シーズン初めて先発に抜擢された高橋耕陽の台頭は三河にとってうれしいニュースだ。

今シーズンから三河に加入した高橋は、チームのスタイルへのアジャストに時間がかかり、シーズン序盤からプレータイムが1桁台で終わることが多かった。これまで所属していた滋賀レイクスターズでは主力を担い、平均20分前後のプレータイムを得ていた高橋にとっては苦しい時間だった。それでも、腐らずに練習を続けたことで指揮官の信頼を勝ち取りつつある。

鈴木貴美一ヘッドコーチは高橋についてこのように話した。「なかなかウチがやろうとするバスケットを理解できず、変なミスも多く出てきて、これは使っちゃダメだなと思いました。でも宇都宮(ブレックス)戦で使い始めたら、良いディフェンスをしてバカ当たりしました。我々がやろうとしていることが分かってきたということで、そこからずっと使っています」

この試合では3ポイントシュートが不発に終わり7得点に留まったが、直近の2試合で2桁得点を記録していた高橋は「これまでは自分が出せずに縮こまっていました。最近は自分が出せるようになって、それが良い評価に繋がったのかと思います」と、プレータイムが増え始めた要因を語った。

高橋はある意味、深く考えずに思うままにプレーすることで輝く選手だ。それが思い切りの良いシュートやダイナミックなアタックに繋がる。高橋も本来の自分の姿を思い出したようだ。「使われ方も変わって、考えながらバスケをするのが難しく、僕がチームに合わせられなかったと思います。パスにフォーカスする時間帯が多くて、自分らしいプレーがなかなか出せませんでした。今はシュートにいくことにマインドを変えて、良い方向に向かっています」

高橋耕陽

鈴木ヘッドコーチ「チャンピオンに向けて明るい材料」

鈴木ヘッドコーチは高橋のことを「能力で見たら使わなきゃいけない選手」と評価している。それでも、「ダメな選手は徹底的に使わない」と起用法に関しては譲れない信念がある。1月31日の秋田ノーザンハピネッツと戦から、次の川崎ブレイブサンダース戦の3試合、高橋はプレータイムを与えられなかった。一見すると酷な采配ではあるが、鈴木ヘッドコーチの期待の裏返しでもあった。

「アウェーの川崎戦なんて1分も出していないです。選手に気を遣い、ゴマを擦るとなれば、川崎戦に5分くらい出してもいいわけです。適当にやっても試合に出れると思わせると彼のためにならない。だから彼は苦しかったと思いますが、少しずつ言葉をかけながらベンチで試合を見させました。それで自分で這い上がってきました」

そして、「当然、相手は金丸や川村を抑えにきますから、彼の存在は非常に大きくなってくる。これからチャンピオンに向けて明るい材料」とも話し、高橋への期待値をさらに引き上げる。

高橋は初の先発起用に「気負いはなかった」と語ったが、第1クォーターでいきなり個人3つのファウルを犯し、ベンチで長い時間を過ごすことになった。それでも、その後はファウルを抑えつつ、後半は16分間プレーしてチームの勝利に貢献した。接戦を制したことで気持ちが高ぶっていたこともあるだろう。高橋は「最初のほうで3回ファウルしたことで、また試合に出れなくなるんじゃないかと思いました(笑)」と、明るく笑い飛ばした。高橋には自然体がよく似合う。

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