ウォールとウッドは対照的な対応
ロケッツにとって、現地21日にトヨタ・センターで行われたサンダー戦は、2月の初旬から続く連敗を止めるために打って付けの試合だった。ホーム開催であること、現状ベストのラインナップを組めたこと、相手の主力に欠場者が出たことなどを含め、およそ1カ月半ぶりに勝利を手にできる可能性が高かった。しかし、あと一歩及ばずに112-114で敗れ、20連敗を記録した。
クリスチャン・ウッドが27得点8リバウンド、ジョン・ウォールが24得点7アシスト、ビクター・オラディポが23得点、ダニュエル・ハウスJr.が18得点8リバウンドを記録するなどオフェンスは悪くなかった。だが、チームリバウンド数で38-52と差をつけられ、第4クォーター終盤のプレーでもミスが続くなど、歯車が噛み合っていなかった。
111-113で迎えた残り1分9秒、ウォールがファウルを誘ってフリースロー2本を獲得したものの、1本の成功に終わり同点に追いつくチャンスを生かせなかった。オラディポもショットクロックに余裕があったにもかかわらず、冷静さを欠いて3ポイントシュートを打ち急いで失投。そして、ウォールがドライブからレイアップを狙ったが、ルーゲンツ・ドートに背後からブロックで叩き落とされてしまい、サンダーに逃げ切られた。
NBAの連敗記録で9位タイに浮上するという不名誉な冠がついてしまった試合後の会見で、ヘッドコーチのスティーブン・サイラスは「私がもっと良い仕事をしないといけない」と、頭を抱えた。
試合終了後から会見に出席するまで約2時間も必要としたウォールは「この連敗を止めるのは他の誰でもない。自分たちだ」とコメント。「メディアの言うこと、家族の言うこと、ファンの言うことも関係ない。自分たちが一つになって、試合に勝つ方法を見つけないといけない。コーチは、試合に向けて素晴らしい準備をしてくれている。ウチの15人の選手も48分間ハイレベルで戦い続けている。申し訳ないなんて気持ちになる必要はない」
ウォールは努めてポジティブな発言を心がけたのだろうが、ウッドはオフェンスに関する不満をあらわにしている。第4クォーターはレイアップ1本と3ポイントシュート1本のみだったウッドは「もっと終盤のオフェンスに絡みたい。大半はコーナーで待機するばかりで、オフェンスのリズムに乗れない」と表情を変えずに語った。
ジェームズ・ハーデンをネッツにトレード後、一時はチーム状況が改善したが、ウッドの負傷離脱をきっかけに再び流れが悪化。ウォールも近日中に手術を受ける可能性があると報じられるなど、今のロケッツは明るい話題に縁がない。それでも試合は待ってくれない。長いトンネルから抜け出すには、とにかく全力でもがき続けるしかない。