三遠ネオフェニックス

古川の勝負強さに屈し、接戦を落とす

三遠ネオフェニックスがホームに秋田ノーザンハピネッツを迎えた一戦。2桁ビハインドを覆して接戦に持ち込んだ三遠だったが、終盤に古川孝敏に連続で3ポイントシュートを決められ、83-88で敗れた。

三遠は得点しても攻守の切り替えの速い秋田の速攻を連続で許してしまい、開始2分でタイムアウトを要請した。さらに、ここまで平均9.9得点、2.5スティールを記録する、攻守の要の川嶋勇人が開始3分で個人2つ目のファウルを犯しベンチに下がったことで苦しい展開を強いられた。

秋田は野本建吾を投入し、外国籍選手が1人のいわゆる『オン1』の状況でもペースアップを図ったことでリードを維持。第2クォーターに入り、ハビエル・カーターの連続3ポイントシュート、さらにトラップディフェンスからのワンマン速攻が決まる。三遠は鈴木達也を入れてボールを落ち着かせようとするも、アレックス・デイビスの長い腕に引っかけられ速攻を許し、この試合最大となる13点のビハインドを背負った。

しかし、休養十分の川嶋がここから流れを変える。川嶋がミドルシュートに3ポイントシュートと連続得点を挙げて悪い流れを断ち切ると、川嶋のスティールから速攻に繋げて反撃。さらに秋田のダブルチームをギリギリでかいくぐり、数的有利な状況を作り出す。良い形から放たれるシュートは面白いようにリングに吸い込まれ、寺園脩斗が3本の3ポイントシュートを沈め、42-40と逆転して前半を終えた。

第3クォーターに入り、再びターンオーバーが目立った三遠はイージーシュートを許して逆転を許してしまう。だが、最終クォーターにゾーンディフェンスが機能してインサイドの失点を最小限に抑えると、鈴木達也のドライブからカイル・ハントがタップで合わせ、76-74と逆転してオフィシャルタイムアウトを迎えた。

これまでと同様に一進一退の攻防が最後まで続いたが、ベテランの妙技が勝敗を分けた。攻め手がなくなった状況でボールを託された秋田の古川は、眼前にマークマンがいるにもかかわらず3ポイントシュートを沈める。直後のポゼッションでも、三遠にローテーションミスがない中で、言わば決め打ちの3ポイントシュートを決めきりリードを5点に広げた。その後、外へのマークを警戒する三遠ディフェンスの虚を突き、カーターがペイントで合わせてダンクをかまし、7点差にしたところで勝負アリとなった。

勝負どころで2本連続で3ポイントシュートを沈めた古川は「あの時間帯は自分が決めようという思いがあったので決まって良かった」と語り、『ゴートゥーガイ』としての役割を果たした。

三遠はこれで3連敗となったが、欠場者が続出する中で接戦を演じるなど、チケットが完売し会場に訪れたファンにとってはエキサイティングな一戦となったはず。