アンソニー・エドワーズ

タウンズとの連携が機能「お互いに理解して協力し合っている」

クリス・フィンチは胸を張って、「将来の成功はここから始まるんだ」と語った。ヘッドコーチ交代を経ても勝てない時期が続いたティンバーウルブズだが、選手とボールが連動するバスケが少しずつ形になり、ここ5試合は3勝2敗と結果も出るようになってきた。それまで7勝29敗と勝率が2割を切っていたチームにとっては目覚ましい成果だ。

現地18日のサンズ戦では、ドラフト全体1位のルーキー、アンソニー・エドワーズが42得点、エースのカール・アンソニー・タウンズが41得点を荒稼ぎして勝利した。チームが放ったシュート総数93のうち、2人が55本を打っている。スモールフォワードのエドワーズは自分でボールを前線に運び、スクリーンを受けてアタックすることもあれば、3ポイントシュートも13本放つ積極的な姿勢を貫いた。さらにはドライブで一人かわしてフローターを沈めるなど多彩な攻めを披露している。フィールドゴール31本中15本成功。ミスもあったが、消極的になることなく攻め続けた。

一方で、6年目のタウンズはセンターながらプレーメークも担うオールランドな働きを見せた。フィンチの初采配となったバックス戦でキャリアハイの11アシストを記録したのは偶然ではない。彼が体格を生かしてボールをキープし、パスで周囲を動かすプレーは明らかに増え、それがチームの新たな武器になっている。このサンズ戦でも、第4クォーター残り2分半にゴール下でエドワーズがミスマッチになっているのを見逃さずにパスを送り、勝ち越し点をアシスト。「分かっていても止められない」のがタウンズとエドワーズのホットライン。ここで奪ったリードを守り切ったウルブズが123-119で競り勝った。

キャリアハイの得点を挙げたエドワーズがコート上でインタビューに応じている間、他の選手やスタッフが全員ロッカールームに引き上げてもタウンズはコートに留まり、戻って来たエドワーズとハイファイブで勝利を祝った。

エドワーズは試合後の会見で「勝てばハッピーだ」と笑顔で語った。「お互いにどんなプレーを好むのかが分かってきたと思う。どのようなパスが欲しいのか、お互いに理解して協力し合っている。僕がリズムをつかんだら、彼を乗せてあげる。彼が僕を引き上げてくれることもある。今日、KAT(タウンズ)と一緒にプレーするのは本当に楽しかった」

「僕は暗闇の中で努力を続けてきたからね。脚光を浴びてもいいんじゃないかな」とエドワーズは言う。タウンズを始めとする仲間が支えてくれるのだから、若い彼は怖いもの知らずで突き進めばいい。19歳とは思えない強心臓が、彼の一番の武器だ。