一瞬の爆発力でリードを拡大し主導権を握り続けたSR渋谷
サンロッカーズ渋谷vs富山グラウジーズの水曜ナイトゲーム。内外から得点を重ねたライアン・ケリーがゲームハイの26得点を挙げ、富山のストロングポイントを封じたSR渋谷が92-81で勝利した。
SR渋谷は序盤から3ポイントシュートにミドルシュートとケリーが得点を重ねるが、オフェンスリバウンドをセカンドチャンスポイントに繋げられず、ジュリアン・マブンガを中心としたバランスアタックに手こずった。
ジェームズ・マイケル・マカドゥのプットバックで締めたSR渋谷が22-19とリードしたが、第2クォーターに入っても互角の展開が続く。チャールズ・ジャクソンがダンクを決めれば、リチャード・ソロモンがプットバックダンクをお返しし、ケリーが3ポイントシュートを決めれば、水戸健史も3ポイントシュートを入れ返す。しかし、オフィシャルタイムアウト後に試合が動く。
SR渋谷はマカドゥがペイントエリア付近で得点を重ね、富山のゾーンを攻略。さらにディレイドオフェンスからベンドラメ礼生がフリーを作り出し、関野剛平がショットクロックギリギリで3ポイントシュートを成功させた。また、アリウープパスをミスしたボールが自分に戻り、ベンドラメが3ポイントシュートを沈めるなど、運も味方した。
球際の争いに勝ち、オフェンスリバウンドを取られそうになってもボールを弾いてマイボールにするなど、ディフェンスも活性化したSR渋谷が約5分間で16-7と走り10点をリードした。
後半に入ってもSR渋谷の流れは変わらない。ベンドラメがドライブにミドルシュートとゾーンを攻略し、ケリーの速攻が決まってリードを拡大。富山はタイムアウトを取って立て直そうとするが、タイムアウト明けのオフェンスでマブンガがムービングスクリーンのジャッジでポゼッションを渡してしまう。さらに前田悟がディフェンスを振り切る際に、宇都直輝がリバウンド争いの際に、それぞれオフェンスファウルをコールされるなど、ターンオーバーが多く最後まで流れをつかめなかった。
第3クォーター残り6分、広瀬健太がフリースローを沈め点差を20点の大台に乗せたSR渋谷がそのまま逃げ切った。
「勝っているチームとしては時間が止まってほしくなかった」
敗れた富山の浜口炎ヘッドコーチは「オフェンスリバウンドを与えないことと簡単な3ポイントシュートを決めさせないことが最大のゲームプランでしたが、特に前半に3ポイントシュートがワイドオープンになってしまうケースが多く、なかなか対応できなかった」と試合を振り返った。
また、放った4本の3ポイントシュートを決めきれず、2得点に終わった前田も「自分たちのやりたかったディフェンスができず、逆に渋谷さんのやりたいことを自由にやらせてしまった」と敗因を語った。
一方、勝利したSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは「今日勝てて戦績で並びました。お互い大事なゲームでしたが、しっかり勝てて良かった」と、チャンピオンシップを争うライバルとの直接対決に勝てたことを喜んだ。
この試合は互いにファウルが多く、フリースローの本数が両チーム合計で60本にのぼった。試合が止まることが多く、伊佐ヘッドコーチも「勝っているチームとしては時間が止まってほしくなかった」と明かしたが「我々もファウルをもらえて、フリースローをしっかり決めきれたので変なゲームにはならなかった」と続けた。
SR渋谷は直接対決で富山を上回り、東地区4位に浮上したが、戦績は26勝17敗で並んでおり、7位の秋田ノーザンハピネッツまで1.5ゲーム差と気の抜けない戦いが続く。SR渋谷は新潟アルビレックスBBと、富山は滋賀レイクスターズと週末に戦う。