個人技で起点を作り、チームでチャンスを作り出す
水曜ナイトゲームでシーホース三河が島根スサノオマジックと対戦。11月のホームゲームでは101失点の大敗を喫したが、敵地で攻守に完璧なバスケを遂行して106-58で快勝した。これで三河は通算成績を28勝15敗としている。
島根は昨シーズンも三河相手に2戦2勝と相性が良く、攻撃的なチームである三河の個人技をチームで抑え、良い攻めに転じることで勝ってきた。しかし今日の三河はディフェンスの意識が高く、攻めも強引な個人技ではなく素早いボールムーブとタイミングの良いカッティングが噛み合った。得点源の金丸晃輔、ダバンテ・ガードナーに託すのではなく、金丸にはチームでオープンショットのチャンスを作り出し、ガードナーにはミスマッチを攻めさせた。
個の力を得点ではなくズレを作り出すために使い、そのズレをボールムーブで広げてイージーシュートのチャンスを作っては決めていく三河がスタートダッシュを決めたのに対し、島根は早々にタイムアウトを取って立て直しを図ろうとするが、杉浦佑成が3ポイントシュートを決めればすぐに金丸に決め返される。点差が広がる状況で外国籍選手が個人で打開しようとし始めるが、強引な攻めはむしろ三河の思うつぼ。阿部諒がドライブから得点したかと思えばオフェンスファウルをコールされ、後藤翔平がドライブで切り崩したと思えばウィリアムス・ニカの3秒バイオレーションと、焦る気持ちが空回りした。
第1クォーターを終えて三河が35-12とリード。フィールドゴール21本中14本成功と確率が良かったが、これは個々のシュートタッチではなくチームで良いチャンスを作り出した結果。第2クォーターには加藤寿一、 根來新之助、熊谷航とベンチから出た選手がディフェンスで良い仕事をこなし、島根に挽回の余地を与えない。
高橋耕陽の手応え「チーム全体としてすごくパスが回った」
56-26と30点差で迎えた後半の立ち上がりも三河のペースで、開始3分半で川村卓也、金丸と繋いでシェーファー・アヴィ幸樹がダンクを決めて66-32に。大量リードの三河は攻めの面で集中が緩み、アリウープを狙って呼吸が合わなかったりとミスが出始めたのだが、ディフェンスとリバウンドの意識は揺らがなかった。試合後に鈴木貴美一ヘッドコーチは「ディフェンスだけにエナジーを使おうと話しました」と選手たちへの指示を明かしたが、実際に島根以上にエナジーを出したことで隙のないバスケを遂行した。
最終スコア106-58で、三河が11月の敗戦のリベンジをきっちりと果たした。エントリー12選手が全員出場し、出場2分のみとなった柏木真介を除く11人が得点を記録している。5本の3ポイントシュート成功を含む19得点、ディフェンスでもリバウンドでもハードワークを貫いた高橋耕陽は「いつも迷いながら打っているところを、今日は積極的にシュートを狙っていけた。チーム全体としてすごくパスが回って、一人ひとりが良いシュートを打てていた」と自分たちのバスケへの手応えを語った。
ハードなディフェンスとボールシェアでどこからでも点の取れるオフェンス。三河が目指すバスケを体現するような内容で完勝を収めた。
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