カイル・ラウリー

2017年に再契約を選択、2018-19シーズンに優勝を勝ち取る

カイル・ラウリーはラプターズとの契約最終年を迎えている。ラプターズにとってラウリーは『チームの顔』であるとともに2018-19シーズンのNBA優勝の功労者でもある。34歳とベテランの域に達しているが、身体能力に衰えは見られず、今も背中でチームを引っ張っている。ただ、その彼の移籍が近いと多くのメディアが報じている。今シーズンが終わればフリーエージェントとなり、その前にラプターズがトレードをまとめるのではないか、という見立てだ。行き先はクリッパーズやヒートといった優勝候補のチームと見られている。

その中には様々な噂があり、ラウリーが親しい友人たちに移籍を打ち明けている、トロントの自宅を売却した、という話もある。彼の代理人はそれらを否定し、「カイルはラプターズでのシーズンに集中している」と語ってきたが、噂は止まらなかった。その状況でラウリーはInstagramに「メディアで伝えられる嘘には驚くよ!」と投稿。あらためて噂を否定している。

彼の代理人は「今日はカイルがシクサーズに行くと報じられた。そのたびにラプターズ首脳に連絡を取り、『我々の関与している話ではない』と確認しなきゃならない」とボヤく。

ただ、ほとんどの移籍はこんな状況の中から生まれる。アンソニー・デイビスやジェームズ・ハーデンがトレードされた状況を思い出せば、どれだけ関係者が否定しても、起こる時にはトレードは起こるものだと考えざるを得ない。

それでも、ラウリーに関しては当てはまらないのではないか。2017年、東の準決勝でキャバリアーズにスウィープで敗れた後のラウリーは、「僕は優勝したい」と発言。この時は契約最終年を破棄してフリーエージェントになる権利を有しており、今以上にラプターズ退団が濃厚とされた。しかし、ラウリーが選んだのはラプターズとの再契約。「これまでの道のりを振り返ったら、たどり着く場所はいつも変わらない。僕のホームはトロントだ」とコメントして、ファンを喜ばせている。

その2年後、フロントはラウリーの思いに応えるべく、1年限りの在籍になることを承知でカワイ・レナードを獲得。ラプターズは悲願のNBA初優勝を果たした。

今回もラウリーが「たどり着く場所はいつも変わらない」との結論を下すかどうか。その動向に注目したい。