アルバルク東京

勝負を分けた第2クォーターのパフォーマンス

サンロッカーズ渋谷vsアルバルク東京の第2戦。第2クォーターを8失点に抑えたように、試合を通じてフィジカルかつインテンシティの高いディフェンスを披露したA東京が83-76で勝利し、2点差で敗れた初戦の雪辱を果たした。

序盤は渡辺竜之佑の3点プレー、ベンドラメ礼生の3ポイントシュート成功と最高のスタートを切ったSR渋谷が先行。球際での強さ、ボールへの執着心でも勝ったが、トラベリングやラインクロスなど軽率なミスも目立ち19-18と突き放せなかった。

第2クォーターに入ると、我慢を続けたA東京が主導権を握る。SR渋谷のトラップディフェンスに苦労するも、ギリギリのところでパスを繋ぎ、オフェンス優位な状況から加点していく。また、ファウルにならない紙一重のフィジカルなディフェンスでボールマンに自由を与えず、一人ひとりの選手が1対1で負けないことで失点を防いだ。ディフェンスから流れをつかんだA東京はキックアウトからの3ポイントシュートがよく決まり、ラスト約6分間を18-2と圧倒した。

A東京が15点をリードして迎えた後半、チャールズ・ジャクソンに何度もオフェンスリバウンドを奪われ、セカンドチャンスポイントを許すなどインサイドを攻め立てられた。それでも、SR渋谷とは対照的に3ポイントシュートがよく決まり、2桁のリードを保つ。最終クォーターの出だしには、SR渋谷のタイトなディフェンスにつかまり、連続でターンオーバーを犯してしまうシーンもあった。しかし、これまでと同様に、ハーフコートオフェンスではトラップをかいくぐってオフェンス優位な状況を作り出し、確実に3ポイントシュートを沈めて流れを渡さなかった。

残り3分、小酒部泰暉の3ポイントシュートが決まり13点差としたところで勝負アリ。最後まで勝負をあきらめないSR渋谷の猛攻を受けたが、時間を有効に進めつつ、ファウルゲームをしのいで勝利を収めた。

アルバルク東京

直接対決でSR渋谷の上に立ったA東京

敗れたSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは「フィジカルのところでディフェンスもオフェンスも圧倒的な差がついてしまった。特に2クォーターでうまくいかない時にディフェンスが消極的になり、その差が最後まで響いたと思います」と、最大の敗因となった第2クォーターを振り返った。

ハイプレッシャーをかいくぐられ、3ポイントシュートを22本中12本と高確率で決められたことも敗因となった。それでも、「そうやってやってきたのでやり続けるだけです」と、SR渋谷のスタイルを崩す選択肢は伊佐ヘッドコーチにはない。

一方、勝利したA東京の指揮官、ルカ・パヴィチェヴィッチは「GAME1で悔しい負け方をしたので、選手たちが何がなんでも勝つという姿勢を出し、40分間戦ってくれた」と試合を振り返る。また、今日の勝利でSR渋谷との戦績を2勝2敗に戻し、得失点差で上回ることになったこともあり、「チャンピオンシップ進出に向け、東地区の大事な直接対決だったので非常に大きい勝利」と満足気な表情を浮かべた。

Bリーグは天皇杯のため再びバイウィークを迎える。A東京にとっては直接対決でSR渋谷の上に立ち、今週に行われる天皇杯準決勝に向け弾みとなったことは間違いない。