写真=Getty Images

NBAでの選択は行くも地獄、行かぬも地獄

ブルズとレイカーズを率い、それぞれのチームで3連覇を達成させた『禅マスター』ことフィル・ジャクソンは、2014年からニックスの球団社長としてチーム再建を担っている。そのジャクソンが就任当初に成立させたトレードで、未だに悔やむ選択ミスがあったことを、『Today's Fastbreak』が伝えた。

レイカーズ時代の教え子であるデレク・フィッシャーをヘッドコーチに就任させた監督人事について、ジャクソンは人選ミスと認識していないと言う。フィッシャーは在任1年半で40勝96敗と低迷から抜け出せずに2016年2月8日に解任されたが、転換期にあるチームの舵取りは簡単なものではなかった。

ジャクソンが何よりも後悔していると話したのは、就任直後にマーベリックスとの間で成立させたトレードだ。

タイソン・チャンドラーとレイモンド・フェルトンを交換要員として、シェーン・ラーキン、ホセ・カルデロン、ウェイン・エリントン、サミュエル・ダレンベアーと、ドラフト2巡目指名権を獲得した。その指名権を保有していたセルティックスとの話し合いで、ジャクソンは、指名権を取るか、ジェイ・クロウダーを取るかの選択肢を与えられたという。

ここでジャクソンは、クロウダーではなく指名権を選択。そして、クリアンソニー・アーリーを指名した。これが彼の言う『最大の失敗』だ。

「私はクロウダーを評価していたが、カーメロとポジションが重なるので十分な出場時間を与えられないという理由でクリアンソニーを指名した。しかし、クリアンソニーは2年間で大半の試合を欠場した。素晴らしいポテンシャルの持ち主ではあったが、それでもクロウダーを獲得すべきだった」

そのクロウダーは、今ではセルティックスのインサイドの要へと成長。ニックスが逃した魚は、あまりにも大きかった。

セルティックスのインサイドの要へと成長したクロウダー。百戦錬磨のマネージャーであるフィル・ジャクソンが悔やむほどの『大きな魚』だ。