キング開

「一生懸命頑張って続けたことによって、今日みたいな結果が生まれました」

1月中旬に横浜ビー・コルセアーズに特別指定選手とした加入した専修大3年のキング開は、これまでに出場した3試合の合計プレータイムが6分となかなかチャンスを得られずにいた。

しかし、キングにとって最後のホームゲームとなったサンロッカーズ渋谷との水曜ナイトゲームでは、積極的なプレーでチームに勢いを与えるなど、 与えられたチャンスをモノにして、91-86での勝利に貢献した。

7-11と横浜のビハインドで迎えた第1クォータの残り4分にコートに送り出されたキングは、迷いのないプレーを見せると1分もたたないうちに2本の3ポイントシュートを沈めてオフェンスを活性化させた。その後も攻めの姿勢を貫き、身体能力を生かしたペイントアタックや身体を張ったディフェンスで存在感を発揮。さらに延長戦では、生原秀将と森井健太に代わってハンドラーを務めると、持ち前のスピードを生かしてSR渋谷のディフェンスを突破してファウルをもらい、貴重な2得点を獲得。こうして10分26秒の出場で8得点1リバウンドを記録した。

キングは試合後の会見で「チームの状況的にいつ出番が来てもおかしくない状況だったので、準備はしていました」と振り返った。「今まで試合に出られていなかったので、チャンスがあったら積極的にアピールするしかないと思っていました。この間の川崎戦でも積極的にシュートを打つことで初得点を決めることができたので、今日も同じような気持ちで挑んで、それが結果に繋がったので良かったです」

特別指定として加入して7週間強でようやくチャンスをつかんだキングだが、出場機会をもらえない期間に学んだことがあると言う。「気持ち的にはいつでも出られる準備をしていました。練習中もコーチが求めていることを積極的に聞いたり、チームの中での自分の役割をしっかり理解して練習に取り組んでいました」

「試合に出られないのはもちろん悔しいですけど、自分が出られる選手にならないとプレータイムはもらえないので、本当に自主練だったりを一生懸命頑張って続けたことによって、今日みたいな結果が生まれました。自主練とコーチとのコミュニケーションは本当に大事だとあらためて感じたので、この先もずっと続けていきたいです」

キング開

「今は悔しさを糧にして練習を頑張れば、もっと大きなことに繋がる」

12月のインカレ終了後に特別指定選手としてBリーグに来る大学生プレーヤーは多く、人によってはローテーションに入り主力としてプレーする選手もいる。そういった周りの状況を見て、キングは「焦りはやっぱりありました。特に同級生の選手がプレータイムを結構もらえているのを見ると、『自分はもらえないのか』という気持ちにもなりました」と明かす。

それでもネガティブにならずにハードワークを続けられた理由を「今がすべてではないから」とキングは言う。「自分はこの先、プロ選手になって日本でも海外でもバスケットを続けたいです。こういう悔しい気持ちを糧にして今は練習を頑張れば、将来的にもっと大きなことに繋がると信じてやっています。実際に焦りはありましたけど、そこをポジティブにとらえて頑張れました」

こう語るように、キングの最終目標は海外でプロバスケット選手としてプレーすること。それでも「Bリーグは通らなければいけない道だと思っていますし、今日のプレーは『Bリーグで自分はできるんだ』という気持ちが強くなって、自信に繋がりました」と、キングはBリーグを経験することで目標達成に向けての階段を登り始めている。そして「少しずつですけどBリーグに慣れていってもっと上手くなりたいです。そのためにもコーチ陣と話したり、上手い選手のプレーを見て自分の成長に繋がるようにやっていきたいです」と横浜で得た経験を生かそうと努力している。

3月12日をもって2020-21シーズンの特別指定選手としての活動を終えるキングは、次節の琉球ゴールデンキングス戦が最後の試合となる。「今までやってきた通りアグレッシブにプレーすること。でも、やるべきことは変わらないので、最後だからというよりは自分がいつもしていること、チームが求めていることを精一杯やって、チームの勝利に少しでも貢献できればと思っています」