寺嶋良

全員が攻守にハードワーク、運動量で大阪を圧倒

京都ハンナリーズと大阪エヴェッサの京阪ダービー。前日の第1戦では72-79で敗れた京都だが、今日の第2戦ではディフェンスを引き締めて失点を前日から大幅に減らし、74-60の快勝を収めた。

開始2分でジョシュ・ハレルソンの連続得点、エリエット・ドンリーのダンクも浴びて0-6のスタートとなった京都だが、ここから足をしっかり使って相手に攻めのイニシアチブを与えず、激しいディナイでパスコースを切る基本に忠実なディフェンスで大阪の勢いを止める。攻めではデイヴィッド・サイモンに依存する悪癖を修正し、満田丈太郎、寺嶋良と日本人選手が思い切り良くアタックすることでバランス良く得点を伸ばしていった。

京都の優位を確たるものとしたのは、大阪のオフェンスを引っ張る司令塔であり、トップスコアラーでもあるディージェイ・ニュービルへの対応だった。スクリーンを使ってズレを作り攻めようとするニュービルに対し、スイッチしたビッグマンがアタックするコースを消し、もともとマークしていたガードの選手はニュービルを後方から追いかける。この2人がかりの執拗なプレッシャーはニュービルのシュートタッチを狂わせた。空いたハレルソンにパスを通されてジャンプシュートを打たれるケースは多かったが、距離のある難しいシュートだからとこれを許容。ハレルソンには17本中10本成功と確率良く決められたのだが、ニュービルへの徹底マークを最優先とした。結果、平均19.4得点のニュービルをフィールドゴール17本中成功わずか4本と完璧に抑え込み、3ポイントシュートは1本も決めさせなかった。

ディフェンスリバウンドを取ってニュービルにボールを預け、すぐさま縦へと展開する速攻が大阪のオフェンスの一つの形だが、京都はハリーバックを徹底することでこの形を容易に作らせない。ニュービルに続く得点源である橋本拓哉は、走る展開に持ち込めない上にファウルの判定にフラストレーションを溜め続け、平均13.7得点のところ5得点止まり。平均13.5得点のアイラ・ブラウンも同じく得意のランニングプレーが出せず6得点と、大阪オフェンスを沈黙させた。

試合を通じて大阪のファストブレイクポイントはわずか4。逆に京都はサイモンへのタッチダウンパス1本でイージーな得点を挙げたり、素早く前線に運ぶボールに満田、松井啓十郎が猛ダッシュから合わせて得点したりと、堅守からファストブレイクという理想の展開が出始めてリードを広げる。京都は3ポイントシュートが15本中2本成功とシュートタッチは必ずしも良くなかったが、果敢に走ることで優位を作り出した。

チャンピオンシップ進出へ1試合も落としたくない大阪だが、この日は運動量でもボールへの執着心でも京都が上。第4クォーターにも常に2桁のリードを保ち続けた京都が74-60で完勝している。これで13勝26敗。チャンピオンシップ進出は現実的に厳しいが、チームの成長が大きく感じられた一戦となった。