「今日や明日、来週に何が起こるかなんて誰にも分からない」
今月はじめ、ニックスはピストンズとのトレードでポイントガードのデリック・ローズを獲得した。ブルズ時代から指揮官トム・シボドーとは師弟関係にあるローズの加入は驚くことではなく、経験豊富な彼は、加入後すぐにニックスの若手から慕われ、その能力を発揮している。
しかし、ローズとポジションが重なるオースティン・リバースは、彼の加入を手放しで喜べなかっただろう。ローズが加入するまではコンスタントにプレータイムを与えられ、試合終盤に勝負強さを発揮するなどしてチームを引っ張ってきたリバースだが、ローズが合流してからはわずか2試合の出場で、トータル5分しかプレーしていない。
チーム内での序列が下がり、ローテーションから外れたリバースは、ローズ獲得について「シーズン開幕前から、彼がウチに移籍する噂は耳にしていた」と語った。「球団から彼の獲得を聞かされた時は『OK』という感じだった。もちろん、僕が違うチームに移籍する話も出てくるだろうね」
今シーズンのトレードデッドラインに設定されている現地3月25日までに、ニックスがリバースを放出する可能性は否定できない。「ニックスの一員でいる限り、僕はプロフェッショナルとして対応する」と語るなど、NBAのビジネスを理解しているリバースもシーズン中の移籍を覚悟しているのかもしれない。それでも彼は、『ニックス愛』を主張している。
「プレーできていないのは残念だけど、ニューヨークのことは好きだし、今だって情熱を持ってやっている。人として、選手として成長するため、今は一歩下がって現状を受け入れないといけない。今日や明日、来週に何が起こるかなんて誰にも分からないじゃないか。でも僕は、このチームにいる限り全力を尽くすだけ。出場機会を与えられている若い選手の力になることが、今の自分の役割だ」