ジェームズ・ハーデンが大袈裟に倒れるも、文句は言わず
クリッパーズはホームにネッツを迎えた。ネッツはケビン・デュラントが欠場したものの、カイリー・アービングとジェームズ・ハーデンによる『ビッグ3』が注目を集めるチーム。昨シーズン開幕前にカワイ・レナードとポール・ジョージの大型補強に踏み切ったクリッパーズとネッツは、タレント力で優勝を狙うチームという意味で共通している。
優秀な選手が揃うNBAにおいても、試合を決める能力を持った選手は一握り。そんなタレントを複数擁するチームの対戦は、第4クォーター残り30秒で108-108の同点という接戦に。ここから誰が試合を決めるのかが大いに注目された。
残り11秒でカイリー・アービングの放ったシュートがリングに嫌われるも、ディアンドレ・ジョーダンがタップで押し込んでネッツがリードを奪う。ここでクリッパーズがボールを託すのはエースのレナードしかいない。レナードはドライブで仕掛け、マークするハーデンを振り切り、あっさりと得点を決めたかに見えたが、オフェンスファウルの判定。レイアップに行く時に振った腕がハーデンの胸に当たったことがファウルと見なされた。
ハーデンがファウルを誘うために大袈裟にリアクションしているようにも見え、レナードはいつもと変わらず表情には出さなかったが、憤りを感じていたのは間違いない。試合は112-108でネッツが勝利し、これで連勝を6に伸ばしている。
試合後の会見でレナードは「少なからず相手を妨害したという意味なら、どちらも同じだったと思う。僕が先につかまれたけど、審判がファウルを取らなかったということは、良いディフェンスだったということだ」と語る。
この試合、クリッパーズのもう一人のクラッチプレーヤーであるポール・ジョージは、試合の最後をベンチから見守っていた。ケガで半月休んでいた彼は、前の試合で復帰したばかり。プレータイムの制限を超えて33分間プレーしたが、指揮官タロン・ルーは「彼を出さざるを得ない状況だったので第4クォーターも使ったが、あれが限界だ。またケガをさせたくはない」と説明する。
終盤の微妙な判定について当事者のレナードは多くを語ろうとはしなかった。ジョージは「審判をコントロールするのもゲームの一部で、彼らはそれが得意なんだ」と、少々の皮肉混じりで称賛している。クリッパーズではジョージが34得点でレナードが29得点、ネッツはハーデンが37得点でカイリーが28得点と、スター選手たちの勝負は互角だった。彼らが決着をつけるのは、シーズンのもっともっと先のことになりそうだ。