テリー・ロジアー

ウォリアーズはドレイモンド・グリーンの退場が響く

ホーネッツはホームでウォリアーズを相手に劇的な逆転劇で、102-100の勝利を挙げた。試合終了のブザーとともに勝利を決めるジャンプシュートをねじ込んだのは、『スケアリー・ロジアー』の異名を取るテリー・ロジアーだった。

試合はステフィン・カリーがティップオフ直前に体調不良を訴えて欠場。マイカル・モルダーが急遽スタートで出場したが、ラメロ・ボールが相手では分が悪い。ファーストプレーでラメロとPJ・ワシントンのピック&ロールを守れず簡単に先制点を与えてしまい、ここから後手に回った。それでもアンドリュー・ウィギンズ、ブラッド・ワナメイカーがカリー不在のオフェンスの穴を埋めて第2クォーター序盤に一気に点差を詰めた。

そこからは接戦が続いたが、ウォリアーズは第4クォーターに入るとさらにギアを上げて、4本連続シュートを決めて残り5分19秒には89-79と10点のリードを奪う。カリー不在でオフェンスは低調でも、ディフェンスを軸にホーネッツから試合を通じて24ものターンオーバーを誘い、苦労して自分たちの勝ちパターンを見いだした。

ワシントン、ロジアー、ゴードン・ヘイワードが3ポイントシュートを連続で決めてホーネッツが逆襲に転じれば、ウォリアーズはペースを落としてワナメイカーやエリック・パスカルがボディブローのようなフリースローでリードを保ち、時間を進める。残り1分半を切ってホーネッツがペースを上げて、シュートタッチ好調のロジアーが2本の難しい3ポイントシュートを決めてホーネッツが2点差に詰め寄るも、つかまえきれない。

しかし残り15秒で波乱が起こった。味方のシュートが外れたリバウンドを拾ったワナメイカーが、ホーネッツの選手2人に囲まれる。2点リードの状況でベンチのスティーブ・カーはタイムアウトを要求したが、その前にラメロがワナメイカーとボールを奪い合う形になってジャンプボールの判定に。ここでラメロがティップしたボールがヘイワードの手元に収まり、すぐウォリアーズの選手が囲い込んだものの、今度はホーネッツが要求したタイムアウトが認められた。

この判定については試合後に、ホーネッツは先にタイムアウトを要求しており、ヘイワードの手にボールが収まった時点で認められたと説明がなされている。だが、これにウォリアーズの選手たちは猛抗議。審判に詰め寄ったドレイモンド・グリーンが審判に暴言を吐き、またテーブルオフィシャルにも侮辱行為があったとして、2度のテクニカルファウルを受けて退場となった。

ホーネッツには2本のフリースローが与えられ、ロジアーがこれを落ち着いて2本とも決めて100-100の同点に。そしてラスト9.3秒、ロジアーはマークについたホワン・トスカーノ・アンダーソンを小刻みなステップでかわし、体勢不十分ながらもブザーとともに決勝ジャンプシュートをねじ込んだ。

ホーネッツにとっては大きな勝利。指揮官のジェームズ・ボーレゴは微妙なジャッジには触れず「あきらめずに戦い続けた全員を、そして最後に決めたロジアーを称えたい」と語る。そのロジアーは「第4クォーターに入って最高のシュートが打てている感覚があった。最後までリラックスしてプレーできたよ」と語る。3ポイントシュート11本中8本成功を含む36得点。ここ4試合連続で30点超えと絶好調だ。ラストプレーの印象が強すぎてかすんでしまったが、前半の最後にはハーフコートショットを沈めてもいる。

一方のウォリアーズにとっては後味の悪い敗戦となった。スティーブ・カーは「ホーネッツにタイムアウトが与えられたのはひどい」とコメントしたものの、グリーンの退場については「彼が悪い」と軽率さを責めている。ただ、判定への不満は抜きにして、タフショットでも次々とねじ込むロジアーを止める手立てがなければ、勝機は見えてこない。