攻めのディフェンスで第2クォーターを23-12と圧倒
秋田ノーザンハピネッツvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズの第2戦。全員が40分間を通して高い集中力を持ち、ボールへの執着心と攻めのディフェンスで勢いをつかんだ秋田が83-65で勝利し、連敗を4で止めた。
第1クォーターは拮抗した戦いになるが、第2クォーターになると秋田が高い位置からのゾーンディフェンスを仕掛ける。名古屋Dのバックコート陣にプレッシャーをかけて、オフェンスを組み立てさせない。また、ちょっとでも相手がボールを下げたり、よそ見をすれば、すかさずスティールしてトランジションへと転じる。名古屋Dにシュートを打たす前にポゼッションを次々と奪い、第2クォーターだけで7本のターンオーバーを誘発。さらに、ボールを奪うと、素早く切り替えて全員が走ってアウトナンバーを作り、リズム良く得点を重ねていった。
ハーフコートオフェンスでも名古屋Dのチェンジングディフェンスに惑わされることなく、その都度対応してリングまでボールを運ぶ。第1戦では3ポイントシュートが17本中1本しか決まらなかったが、この試合ではドライブやインサイドへボールを預けることで、ディフェンスを収縮させてから自分たちのリズムで3ポイントシュートを放つと、第2クォーターを23-12と圧倒して、前半を38-31とリードして終えた。
一方の名古屋Dは立ち上がりこそトランジションバスケで良いリズムを作ったが、その後は秋田のインテンシティの高いディフェンスに圧倒される。パスの出しどころを見いだせず、それぞれが個で打開するが、タフショットが増えリングに嫌われてしまう。また、良い形でオフェンスを展開し得点に繋げても、その流れを維持することができず1、2ポゼッション差を詰めることができない。
61-52と秋田のリードで迎えた最終クォーター。秋田は最後まで全員がボールへの執着心を持ち続け、ハッスルプレーでチームを鼓舞する。また、名古屋Dに点差を詰められても古川孝敏や細谷将司が勝負どころでのシュート決め切り主導権を渡さず、最後までエナジーを出し続けた秋田が83-65で勝利した。
前田顕蔵ヘッドコーチ「全員で支え合ってできたのが非常に大きい」
勝利した秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは試合後の会見で「選手たちが素晴らしいエナジーと集中力を持って40分間戦ってくれました」と選手を称えた。「KC(カディーム・コールビー)が抜けて、新しいチーム状況の中で不安な部分もたくさんあったと思います。それでも選手たちがまとまって勝ちを取れたのは非常に大きなステップだと思います」
試合で何よりも目立っていたのが秋田の集中力だ。昨日までの4連敗の中では、勝負どころでのミスが相次ぎ、僅差で敗れることもあった。それでも、この試合では最後まで全員が集中を切らさず、リードを守り続けた。
「昨日は苦しい時間帯にチームとして沈んでしまいました。この連敗が続いている中で、それではダメでしょと。『どんな状況であれ、全員が戦わないと勝てないよね』という話をしました。これは僕自身の反省点でもありますが、そもそもKC(コールビー)が抜けた後に、やっぱり勝ちたいから力が入るし、ミスに対して厳しくなっていました。ただ、そうではなく、良いところにフォーカスしてチームにアプローチをしたので、今日はそういう雰囲気でできたのかなと思います。あとは選手たちとコミュニケーションを取りながら、全員で支え合ってできたのが非常に大きいです」と、前田ヘッドコーチは連敗に終止符を打つことができた理由を語った。
今節は1勝1敗の痛み分けとなり、戦績は両チームともに22勝15敗としている。苦しい状況が続いていた秋田だが、バイウィーク前ラストの試合で秋田らしいバスケで勝利できたことは大きい。一方の名古屋Dはこの試合で見つかった課題を、バイウィーク期間中にどれだけ修正できるかが今後の鍵となる。