ロイス・オニール

「自信を持って、自分の役割に集中するだけさ」

今のNBAで最も調子の良いチームはジャズだ。2月13日のヒート戦、後半開始から6分間でドノバン・ミッチェルの8連続得点に始まる16-0のランでリードを20点に広げると、セーフティーリードを保ったまま時計を進めて112-94で完勝した。これでチームは7連勝。ナゲッツに1敗を喫したものの、その前には11連勝を記録している。22勝5敗はレイカーズを抑えてNBAの勝率トップだ。

マイク・コンリーがハムストリングを痛めて欠場しており、パスを回してイージーバスケットの機会を作り出す機能的なオフェンスは出せなかった。それでもルディ・ゴベアにロイス・オニールを軸とするディフェンスは揺らがず、ヒートに主導権を与えなかった。ゴベアはリーグ最強ビッグマンの一人との評価を確立しているが、今のジャズではオニールの存在も欠かせない。

「自信を持って、自分の役割に集中するだけさ」とオニールは簡単なことのように言うが、指揮官クイン・スナイダーは彼の貢献を名指しでこう称える。「毎日のように最もタフなマッチアップをしているのはロイスだよ。昨夜はヤニス・アデトクンボをマークして、今日はジミー・バトラーだ。疲れはあったに違いないが、彼は戦い抜いた」

ミッチェルはゲームハイの26得点を挙げたものの、試合序盤で立て続けにファウルをコールされてベンチに戻っており、後半立ち上がりに勝利のきっかけこそ作ったが本来のインパクトは出せなかった。それだけに、ヒートにとっては納得のいかない負けでもある。ジミー・バトラーはオニールのマークに苦しみ、フィールドゴール試投数が10と伸びず。12本のフリースローを得て(成功8)繋ごうとしたものの、得点は15止まりでオフェンスを活性化させるには至らなかった。

「負けたのは自分たちのせいだ」とバトラーは第3クォーター開始のランを振り返る。「攻撃が悪くて、それを守備にも引きずってしまった。シュートを外し始めたら、ディフェンスに戻らない、リバウンドにも行かない。相手が点を取ったんじゃない。僕らが戻らなかったんだ」

新型コロナウイルスの影響はいまだ大きく、その中で過密日程が続いているのだから、ベストコンディションで試合に臨むのは難しい。ヒートの指揮官エリック・スポールストラは「集中力を欠いたまま試合を迎えてしまった。プレーする目的を見いだせず、運動量もなかった」と言うが、今日のヒートのように心身ともに万全ではない状況でプレーしなければならない試合も少なくないはずだ。ただ、ジャズもコンリー不在で、バックス戦に続く連戦であっても言い訳をせずに、オニールが言うようにそれぞれが「自分の役割に集中」した。

次は中1日を置いて東カンファレンス首位のシクサーズ、そしてクリッパーズとのアウェー2連戦が待ち構えている。ジャズの連勝がどこまで伸びるか、その戦いぶりに注目したい。