「ブレずにやってきたことがチームに浸透してきている」
京都ハンナリーズは2月13日、敵地に乗り込んで宇都宮ブレックスと対戦した。リーグ最高勝率の難敵相手に、最後まで勝利のチャンスを残す粘りを見せたが、71-76とあと一歩届かなかった。ただ、大黒柱デイヴィッド・サイモンを欠きながらリーグ随一のインサイド陣である宇都宮相手にリバウンド争いでも食らい付くなど、スコアだけでなく内容でも次に繋がるパフォーマンスだった。
小川伸也ヘッドコーチも「リバウンドへの意識で40分間は無理でしたけど、30分間は取れなくても食らい付く姿勢を見せてくれました。そこは今までにない良かった点です」と収穫を挙げる。
この試合、京都のゴール下で奮闘したのが永吉佑也だ。そもそも京都の外国籍選手にはポイントガードのレイヴォンテ・ライスがおり、サイモン欠場により外国籍ビッグマンはジャスティン・ハーパーのみとなった。このサイズ不足の中、永吉は29分26秒の出場で、宇都宮の強力インサイド陣を相手にスタッツに出ない部分での身体を張ったプレーでも存在感を見せた。
「サイモンが出られないことで厳しい戦いになることは予想していましたが、全員で力を合わせて戦うことはできました。ただ、リバウンドで圧倒的に取られてしまいました」
こう振り返る永吉は、自身のパフォーマンスを次のように分析した。「チームオフェンスを遂行する上でスクリーナーとなり、1対1でもちゃんと攻めることができました。ディフェンス面はジョシュ・スコット選手とのマッチアップでリバウンドを取られてしまった。宇都宮には素晴らしいビッグマンが揃っていて、ディフェンス面ではまだ課題があると思っています」
現在、リーグトップの宇都宮を最後まで苦しめたことは、京都にとってポシティブな内容だ。永吉はチームの成長に手応えを得ている。「シーズン序盤は苦しい時期を過ごしてきましたが、その中で一つ言えるのは、自分たちが最初から今日に至るまでブレずにやってきたことがチームに浸透してきています。戦える集団になってきていることをすごく感じています」
「僕らはチャレンジャー、なんとか1勝したい」
それでも永吉は、善戦と勝利の間に大きな差があると冷静に受け止めてもおり、だからこそ宇都宮から白星を挙げたいと意気込む。
「ブレックスさんはリーグ1位で、僕らはチャレンジャーですが、なんとか1勝したい。もうちょっとで勝てた、では勝てていないわけで、勝つか負けるかは勝負の世界では全然違います。『あともう少し』というところもありますが、最後の勝負ところでのブレックスさんの強さを感じており、力の差があることを否定はできません。ただ、自分たちにもチャンスがあると思っているので明日の試合も頑張りたいです」
勝利の鍵はいかにリバウンド争いで後手に回らないか。そのためには、自分の働きが重要であることを十分に自覚している。「スコット選手に8本のオフェンスリバウンドを取られ、他のビッグマンにも取られてしまいました。チームとして全員でリバウンドを取る気持ちで戦っていますが、その中でも自分の役割は大きいので、そこでまず仕事をして貢献していきたいです」
今日の第2戦、京都はスモールラインアップの持ち味である機動力をより生かしていきたい。そのためには、永吉のゴール下での泥臭い働きがこれまで以上に大事になってくる。