「守備で耐え抜いた」我慢の勝利で連敗ストップ
広島ドラゴンフライズが新潟アルビレックスBBをホームに迎え打つ第1戦。運動量で上回り、試合運びの巧みさも見せた新潟が試合が進むごとにペースをつかみ、83-74で完勝を収めた。
新潟は立ち上がりこそグレゴリー・エチェニケのインサイドでの存在感に攻守両面で押されたが、アレン・ダーラムに効率良くボールを集めてインサイドを破り、林翔太郎も思い切りの良いシュートを決めて第1クォーターのうちに逆転に成功。両チームともターンオーバーが目立つものの、新潟はそれを得点に繋げることでリードを作り出す。
広島は第2クォーターには田渡凌が自らのドライブで作り出したズレを生かす良いチャンスメークが続いたり、エチェニケが強引にゴール下の得点を決めたりとオフェンスで個々の奮起は見られたものの、攻めから守りへの切り替えが遅く、ハリーバックできないことで新潟にイージーバスケットを与えてしまう。速い攻めで目立ったのは林で、得意の3ポイントシュートだけでなく、行けると判断すれば一気に攻めきるランニングプレーの精度も高く、シーズンハイの22得点を挙げている。
2桁のビハインドが続く広島は、第4クォーターに入って古野拓巳が高い位置でプレッシャーを掛けることでチーム全体のディフェンスレベルを引き上げ、そこから速攻に転じることで流れを変え、第4クォーター開始時点で14点あったビハインドを8点まで縮める。それでも、ここで司令塔の五十嵐圭が試合をコントロールする。この試合ではロングレンジのシュートが決まらなかった五十嵐だが、打ち合いになっていた展開の中でチームを落ち着かせ、盟友である佐藤公威の3ポイントシュートをアシストして広島の流れを断ち切る。その後はギャップを突くミドルレンジからのジャンプシュート、そして快足を飛ばしたコースト・トゥ・コーストのレイアップを沈めて得点の面でも存在感を発揮した。
広島はホームで簡単には負けられないと攻めのギアを上げるが、意識がオフェンスに偏る悪癖から逃れられない。ジャマリ・トレイラーを欠く状況でエチェニケに攻めが偏り、良い攻めがあっても新潟にあっさり走られて得点を取り返されて点差を詰められない。新潟はダーラムを始め外国籍選手もディフェンスとリバウンドでハードワークを欠かさずにリードを守り、83-74で勝利した。
新潟はこれで連敗を8で止めた。青木勇人アソシエイトコーチは「得点が停滞する時間帯があったが、そこは想定内。どれだけ守備で我慢する展開を戦っていけるかに集中して試合の準備をしていた。その中で第3クォーターを終わるまで相手に50点を取られない守備で耐え抜いたところは良かった」と、我慢の勝利だったことを強調する。
一方の広島はこれで5連敗。堀田剛司ヘッドコーチはこうコメントしている。「自分たちのターンオーバーからの失点を減らしていきたい。後半はターンオーバーを3つしかしていないところは最後粘り強く戦えたところだと思う。守備も後半から強度が上がった。点差が離れた場面は新潟に走られて簡単に得点を与えた部分だと思うので、そこを修正し明日は勝利をつかみたい」