満場一致でMVPに選ばれた2015-16シーズン級の活躍
今シーズンは苦戦が予想されたウォリアーズだが、25試合を終えて13勝12敗を記録し、西カンファレンス8位と健闘している。チームを支えているのは、言うまでもなくエースのステフィン・カリーだ。
今シーズンのカリーは、平均29.6得点、5.4リバウンド、5.9アシスト、フィールドゴール成功率48.7%、3ポイントシュート成功率42.9%の活躍で、満場一致でシーズンMVPに選ばれた2015-16シーズン並の数字を残している。
カリーの個人トレーナーを長年務めるブランドン・ペインによれば、来月33歳になる彼の肉体はまだピークに達していないという。ペインは『Mercury News』との電話インタビューで「33歳になる彼の肉体は、他の選手なら27歳くらいの状態。ステフは今もどんどん力強くなっているし、スピードも速くなっている。フィジカル的な成長も続いている。だからまだまだレベルアップするだろうね」と答えた。
今年に入り、カリーの活躍はさらに目覚ましい。1月3日のトレイルブレイザーズ戦ではキャリアハイの62得点、2月6日のマーベリックス戦ではキャリアで2番目に多い57得点をマーク。チームの戦績が伴えば、自身3回目のシーズンMVP受賞もあり得るだろう。
ペインによると、カリーは手の骨折によりわずか5試合の出場に終わった昨シーズン終了後から休まずにトレーニングを続け、筋力、筋持久力、全身持久力、俊敏性、瞬発力、バランス能力を鍛えているという。また、カリーは昨シーズンから2kgほど筋肉で増量したというが、チームスタッフはより重い重量のウェイトをトレーニングに用いることで、瞬発力をアップさせることに力を入れている。
シーズン中、ウォリアーズはカリーのコンディショニングを把握する材料として、決められた重さのバーベルを使ったスピードデータを本拠地チェイス・センターで取っているという。コーチングスタッフは、このデータをローテーションのパターンに反映させており、ヘッドコーチのスティーブ・カーが8日のスパーズ戦の第4クォーターでカリーのプレータイムを6分未満に抑えた理由は、そこにあった。ペインは「チームはステフの肉体的な負担を把握している。彼は試合を重ねるごとに良くなっているし、チームの方針は100%正しい」と話す。
シーズン開幕前にクレイ・トンプソンがアキレス腱を断裂してシーズン全休が決まったことで、今シーズンはオフェンス面でカリーの負担が増えている。ペインは、トンプソンの負傷を知ったカリーからすぐに連絡があり、開幕前の練習プランについて相談があったと明かした。ペインはその際に「特定の試合状況では、よりアグレッシブなプレーが求められる。今まで以上にシュートの数だって増えるかもしれないから、そのことを頭に入れておくべきだ」とカリーに伝えたという。
仮に今シーズンの優勝が難しかったとしても、カリーが今の状態を数シーズン維持できれば、ウォリアーズは今後も優勝争いに絡めるだろう。ペインもカリーのパフォーマンスに太鼓判を押している。「より力強くなって速さも増せば、彼の技術はさらに磨かれる。今の彼を見ればそれは明らかだ。彼ならまだまだやれるよ」