コービー指揮の下、NBA各チームのファンが敵意と敬意を歌い上げる

コービー・ブライアントの20年間のキャリアは、レイカーズのファン以外にとっては苦々しいものだった。いつだって自信満々、最高のプレーを見せるコービーは、対戦相手を散々に打ち破っては、さも当然といった表情で去っていく。どのチームのファンも、コービーの圧倒的な強さと不遜な態度が「大キライ」だった。

しかし、昨年11月29日にコービーは今シーズン限りの引退を表明する。引退表明の日を境に、その表情からはギラついた闘志、周囲を圧倒する威圧感が消え、人々はコービーに敵意を向けることができなくなった。

それからはコービー引退興行がスタート。どのアリーナに行ってもコービーは最大限の愛情と敬意で迎えられた。しかし、誰もがこう思っていたはずだ。「ずっと大キライでいたかったのに」。

コービーのいないNBAを想像するのは難しい。あの憎たらしいヒーローがいないと寂しい。「ずっと大キライでいたかったのに」と各チームのファンが歌う。『The Conductor』(指揮者)であるコービーに操られるままに。

コービーのNBAラストマッチが、間もなく幕を開ける。