主力にケガ人続出も「前を向いて進んでいきたい」
オリンピックの組み合わせ抽選を終えて、5人制女子の日本代表チームを率いるトム・ホーバスがコメントを発表した。
「非常に厳しいグループに入ったという感想ですが、対戦国が具体的に決まったことで、これまでは漠然とした準備しかしてこられませんでしたが、今日から、対戦相手に応じた具体的な準備に入れるという点では、よかったと思っています。勝ち上がることが難しい一方で、このグループを勝ち上がることで、リオオリンピックのときのように、準々決勝でアメリカと対戦するというようなことを避けられるメリットもあります」
「いま、女子代表では渡嘉敷選手や本橋選手がケガをしてチームから離れています。オリンピック本番に間に合うかどうかもわからない状況ですが、その他の選手がそれぞれにレベルアップし、チームとしてそれをカバーしていくしかありません。ある意味でバスケットボールにはケガがつきものなので、前を向いて進んでいきたいと思います」
「今回の女子の目標は金メダル。日本は私にバスケットボールを通じて多くのチャンスを与えてくれました。私の夢は『アメリカを決勝で破って金メダル』です。日本のために、日本チームの一員として、その夢に挑戦します」
リオ五輪の女子日本代表はグループリーグを突破したが、準々決勝で当たった相手が世界最強のアメリカ代表。前半こそ食らい付くも後半には力の差を見せ付けられ、ベスト8止まりとなった。この時はアシスタントコーチだったトム・ホーバスは、大会後にヘッドコーチに昇格。2017年のアジアカップを終えて帰国した際の会見でオリンピックでの金メダルを目標に掲げ、以後それは揺るがない。
しかし、ただでさえ高い目標に挑むことに加え、チーム状況は必ずしも良くない。ホーバスのコメントにもあるように渡嘉敷来夢、本橋菜子は長期離脱中。さらには吉田亜沙美、大﨑佑圭(間宮佑圭)、藤岡麻菜美と東京オリンピックでチームの核となるはずだった選手が現役を引退している。彼女らの穴を埋めるべく台頭している若手をどれだけ引き上げられるかがチームの浮沈を左右することになりそうだ。また、1年前のインタビューでホーバスは自らの作り上げた日本代表のスタイルが世界のトレンドの先端を走っており、さらに進化し続けていることをアピールしていた。それは選手の顔ぶれが入れ替わっても変わらないはずだ。今回はグループリーグでアメリカと同組なため、リオのようにベスト8で当たることはない。『アメリカを決勝で破って金メダル』の夢の実現に向けて、ここからひた走ってほしい。