クレイ・トンプソン

トークスキルが高く「いずれは名解説者に」との声も

クレイ・トンプソンは開幕前に右足アキレス腱を断裂し、今シーズンは全休が決まっている。ステフィン・カリーはケガをした相棒に「できるだけチームのそばにいてほしい」と依頼していたが、クレイはしばしばベンチに入っている。現地1月30日、ピストンズ戦が行われたチェイス・センターにはクレイの姿があった。ただ今回、彼がいたのはベンチではなく、実況席だった。

スポーツ選手にとって大きなケガは間違いなくネガティブな出来事で、その間は表舞台に出てこない者も多い。しかし彼はできるだけチームと行動をともにしているし、今回はアリーナでの時間をより有意義なものとするためにコメンテーターを引き受けた。クレイのファンにとっても、あと1年間ただ待ち続けるよりは、彼と一緒に試合を見る経験の方が楽しいに決まっている。

カリーはこの試合で6本の3ポイントシュート成功を含む28得点を記録。3ポイントシュートが決まるたびにクレイは感嘆の声を挙げて、スプラッシュ・ブラザーズの相棒のシュート力に大喜びした。またトークも軽妙で、いずれは解説者としても成功するかもしれない。クレイの父であるマイカル・トンプソンも現役引退後は解説者をやっていたが、それより上手いとの評判だ。

寡黙でストイックな印象を持たれるかもしれないが、クレイは社交的でおしゃべり好き。オープンな性格に見られるカリーの方が、むしろ人の多いところを嫌うタイプだ。家庭を持つカリーと独身のクレイとの差でもあるが、クレイはまさに『ケガの功名』で意外な才能を見つけ出したのかもしれない。もっとも、その才能を本格的に生かすのは何年も先でいい。クレイにはリハビリ期間を様々な活動で楽しみつつ、100%のコンディションを取り戻してコートに戻って来てもらいたい。