「納得のいくバスケットはできていなかった」
千葉ジェッツは1月27日、ホームで行われた横浜ビー・コルセアーズ戦に75-64で勝利。前節、宇都宮ブレックスとの頂上対決で痛恨の2敗を喫した直後の試合で、きっちりと連敗を止めた。
千葉は第2クォーター途中、横浜のタイムアウト明けに激しいディフェンスからのターンオーバー奪取で連続得点を奪って突き放すと、その後は常にセーフティリードを保つ危なげない試合運びで逃げ切った。
もちろん、千葉にとって連敗ストップは大きな意味を持っている。ただ、一方でプレーの内容そのものについては満足できるものではなかった。16分間の出場で17得点を挙げた西村文男も「チームとして納得のいくバスケットはできていなかったですけど、それでも40分我慢強く戦えたのは良かったと思います」と振り返る。
また、3ポイントシュート5本中4本成功と長距離砲が爆発した自身のパフォーマンスについて「個人としてはシュートタッチが良かったのでいつもより思い切りよくシュートを狙っていきました」と語るも、彼らしく自身のシュートより司令塔としての役割を重視していたと続けた。
「それよりも自分がポイントガードとして他の4人にうまくボールを回して点数を取ったり、ディフェンスをできたことが自分としては評価できるところだと思います」
富樫勇樹「もう1回出直します」
これで千葉は前半の30試合を23勝7敗で終了。レギュラーシーズン1位の座も十分に狙える好成績だ。ただ、2021年に入ると琉球ゴールデンキングス、宇都宮と上位陣との対戦が続いたことも影響し、2勝3敗と黒星が先行。優勝候補の千葉だからこそ、若干ではあるが足踏みしているとの印象を持たれてしまう部分はある。
西村は現状についてこう語る。「正直、勝率だけでいったら悪くはないです。ただ、良い時にみんながちょっと甘えてしまいました。シーズンがスタートした時と今を比べて、チームとして成長できたかという時、みんなが首を傾げる部分は多いです。各々で思うところがあるでしょうし、それはすぐに解決できることはではないです」
ポジティブな見方ではないが、チームの修正力に自信を持っていることは確かだ。「もう少し良くない流れが続くかもしれないですが、決して自分はネガティブにはとらえていないです。もっと自分たちらしい、イケイケで元気のある千葉ジェッツを見せていきたいと思っています」
エースの富樫勇樹も西村と同様に現状に満足していない。「個人としてもチームとしてもしっくり来ていないです。チームとして、この6、7試合思うようなプレーができていない状態でこの試合に臨み、正直、内容として酷かった思いはあります。勝つことができてよかったですが、リーグ戦はちょうど半分が終わったところですし、もう1回出直します」
このように勝てたことへの満足感より反省が口に出る。しかし、長いレギュラーシーズンにおいてはどんなチームでも浮き沈みはあるもの。富樫も「危機感という感じではないです。シーズンは60試合と長いので、良い時と悪い時は必ずあります。5月のチャンピオンシップに向けて焦りはないです」と冷静にとらえている。
ただ、もちろん目先の勝利を貪欲に狙っている。それは何よりも「チャンピオンシップはホームでやりたいので負けられない気持ちはあります」と、ポストシーズンをより多くのファンの目の前で戦いたい思いがあるからだ。
当然だが一気に状況が好転するような都合の良い特効薬はなく、今は千葉にとって我慢の時期と言える。今週末の相手は年末にアウェーで対戦し、1勝1敗の痛み分けに終わった大阪エヴェッサ。チームは一つの大きな踏ん張りどころを迎えている。