ジェームズ・ハーデン

「フィーリングが合えば、すべてがより簡単になる」

ネッツは2日前に続いてホームでヒートと対戦した。ヒートの思惑通りのロースコアの展開に持ち込まれ、ケビン・デュラントがフィールドゴール21本中6本成功、カイリー・アービングが17本中6本とシュートが決まらず苦しんだが、1点リードの第4クォーター残り9分からジェームズ・ハーデンが10得点2アシストと、勝負どころでオフェンスを牽引。スタッツだけを見れば20得点8アシストは彼にとっては平凡な出来かもしれない。それでもハーデンはチームにとって必要なタイミングでギアを上げ、フィールドゴール10本中7本成功と効率良く得点を奪い、チームを98-85の勝利に導いている。

『ビッグ3』がいかにボールとチャンスをシェアするかが問われる状況で、プレーメークに軸足を置きつつ、必要な時にシュートを決められるハーデンのプレーは、新生ネッツの一つの正解を示した。残り5分、クロスオーバーでダンカン・ロビンソンを左右に揺さぶってのステップバックスリーは、3度の得点王に輝いたロケッツ時代のハーデンのパフォーマンスそのものだった。

「第4クォーターは僕もこれまでよりもアグレッシブに行った。彼らが普段なら決めるシュートを落としていたから、自分がアグレッシブに決めに行こうとしたんだ。僕らはリードしていたし、正しい方法で試合を締めくくりたかった。必要な自信はチームメートが与えてくれる。ただアグレッシブに行くだけだった」とハーデンは振り返る。

指揮官スティーブ・ナッシュもハーデンについて「点を取ってなくても他に多くの役割をこなしてくれるし、得点能力があるのは分かっている。彼がプレーメークと得点のバランスを取り、自信を持ってプレーしているのは本当に良いことだ」と称賛する。

『超攻撃的なチーム』と見なされているネッツが、ロースコアの展開で競り勝った意味も大きい。ハーデンは「本当に大きいよ。得点が伸びなくてもディフェンスで耐えたことで相手が苦しくなった。僕らは攻撃だけじゃなく守備でもアグレッシブになりたいと思っていた。今日はオフェンスはあまり上手くいかなかったけど、ディフェンスで相手を苦しめることができた」と言う。

いろんな意味でネッツにとってポジティブな結果となったこの試合。加入からここまで控え目だったハーデンも、この内容はよほどうれしく、また自信にもなったようだ。「僕にとってはチームを助けることがすべてだ」と彼は言う。

「僕は8年間、ボールをコントロールして試合を支配する役割を担ってきた。今ここで新しい経験ができるのは素晴らしいことだし、楽しいよ。自分で思い切り良くシュートを打つにせよ、デュラントやカイリーに点を取らせるにせよ、これからもっとリズムに乗ってフィーリングが合えば、すべてがより簡単になるはずだ」