渡邊雄太

3得点6リバウンド2アシスト1スティール2ブロックを記録

ラプターズはペイサーズと対戦。セカンドユニットの渡邊雄太が21分のプレータイムを得て、得点こそ3に留まったが随所に好プレーを見せて、シックスマンとして勝利に大きく貢献した。

渡邊が投入されたのは第1クォーター残り3分を切ったところで、まずは得意のディフェンスから良いプレーを見せる。ドライブで仕掛けるジェレミー・ラムの進路を見事なフットワークでふさぎ、苦し紛れに出させたパスをスティール。第2クォーターに入るとさらにギアを上げ、ディフェンスリバウンドを押さえるとスピードに乗ったボールプッシュで攻めに転じ、ゴール下に走り込むディアンドレ・ベンブリーに完璧なパスを合わせ、イージーなダンクをアシストする。直後のディフェンスではアーロン・ホリデーのドライブの進路をふさぎ、タフショットに持っていかせてブロック。オフェンスではマラカイ・フリンからのキックアウトのパスを受け、キャッチ&シュートでの3ポイントシュートを沈めた。

ここ数試合でプレータイムが減っていた渡邊だが、立ち上がりの動きの良さが評価され、第2クォーターの終盤にもコートに送り出される。ここでもディフェンスで好プレーを見せ、ビッグマンのマイルズ・ターナーとの1on1で、強引に押す相手に一歩も引かずにオフェンスファウルを誘発。フットワークの良さだけでなく当たり負けもしないところを見せ、ガッツポーズも飛び出した。またフレッド・バンブリートをドライブで抜き去ったマルコム・ブログドンの動きに即座に対応し、ブロックショットで得点を許さないカバーリングは、バンブリートが駆け寄って称える好ディフェンスだった。

ターナー、ブログドン、ホリデーとペイサーズの主力をことごとく止めて相手の勢いを削いだのが効き、ラプターズは試合を優位に進める。終盤に一度は追い付かれたものの、ラスト1分は主力が踏ん張って逆転は許さず。最後はチーム本来の堅守が機能し、ファウルゲームも無難に乗り切って、107-102で接戦を制した。

渡邊は21分のプレーで3得点6リバウンド2アシスト1スティール2ブロックを記録。スタッツ以上に大きなインパクトを残す活躍ぶりだった。試合後の会見で渡邊は「疲れました」と笑顔を見せ、「ディフェンス面で良い仕事ができたと思います」と手応えを語る。「僕はハードワーカーでいつもジムにいるし、プレーするかどうかにかかわらずいつも準備はしています。チャンスを得られなかったルーキーイヤーからの2年間もずっとそうしてきました。今はそのチャンスをつかもうとしています」

「友達や家族は喜んでくれているし、日本で見てくれている人たちも喜んでくれていると思います。僕としてはハードワークを続けて、もっと多くの人たちに試合を見てもらいたいです」

過去2年間はGリーグで結果を残してもグリズリーズでの出場機会に繋がらず、モヤモヤした思いを抱えていたに違いない。それでも今は自分の力を正当に評価され、この試合のように良い活躍ができればプレータイムはどんどん伸びていく。これまでは「NBAで通用するのか」という目で見られていたが、チームディフェンスを重視するラプターズの戦力であることはこの1カ月で証明できた。ようやく『活躍の場』を得た渡邊のプレーを、是非とも多くの人に見てもらいたい。