信州ブレイブウォリアーズ

軸であるピック&ロールと3ポイントシュートを最後まで貫く

信州ブレイブウォリアーズvs富山グラウジーズの一戦。3ポイントシュートでリズムをつかんだ信州が86-68で富山に勝利した。

この試合、富山のジュリアン・マブンガは体調不良のため欠場に。信州は序盤から西山達哉がピック&ロールを使って、ペイントエリアから得点を重ねていく。ディフェンスでは富山のジョシュア・スミスを外国籍選手2人で守り、インサイドの得点を封じる。しかし、そこを逆手に取られ、スミスにボールを入れられては、その後の速いパス回しに対応することができずに外角シュートを許してしまう。

一進一退の攻防が続く中、スミスとマッチアップしていたビッグマン、ウェイン・マーシャルが第1クォーターの開始5分半で2つ目のファウルを犯し、ファウルトラブルに。しかし、代わりに入ったジョシュ・ホーキンソンがスミスとのスピードのミスマッチを突いてディフェンスを振り払い3ポイントシュートを沈めることで、21-17とリードして第1クォーターを終えた。

37-34と信州がリードを保って迎えた後半。信州はピック&ロールを使ってインサイドに切り込み、うまくファウルを誘ってはフリースローなどで点差を広げていく。また、この試合での信州のオフェンスは単発で終わるのではなく、エクストラパスを出してしっかりとシュートチャンスを作り出すことで、次々と得点へ繋げることに成功。一時は、宇都直輝に連続得点を許し3点差まで詰められたが、ここでもマーシャルや栗原ルイスの3ポイントシュート、そして西山が緩急あるドライブでバスケット・カウントをもぎ取ると、再び富山を突き放し、第3クォーターを34-20と圧倒した。

この試合ではピック&ロールと3ポイントシュート確率の良さが目立った信州だが、持ち味のディフェンス力もしっかりと発揮。富山のドライブに対しては、チームでインサイドを守りミスを誘っていく。さらに、一度勢いに乗ると止まらない富山のシューター陣に対しては、一歩詰めたディフェンスでシュートを打たせずに相手のペースを乱していった。こうしてチームディフェンスとインサイドアウトを繰り返したオフェンスを貫くことで信州が逃げ切り、86-68で勝利した。

信州はホーキンソンが26得点、西山が23得点、アンソニー・マクヘンリーが12得点を記録。さらにチーム全体では3ポイントシュートを13本成功させ、自分たちのリズムでバスケットを遂行。 一方、敗れた富山は平均20得点を挙げているマブンガを欠いたことで、オフェンスの起点が定まらず、個のプレーが多くなり、チームでリズムをつかむことができなかった。また、オフェンスでの不調がディフェンスにも響き、何度も信州に同じ展開でのシュートを許した。それだけでなく、スミスもファウルトラブルに陥り、第4クォーターの開始3分では退場と苦しい状況に。得点源のマブンガがいない試合で、どれだけチームバスケットを遂行できるかという課題が浮き彫りになった試合となった。