コリン・セクストン

クラッチプレーを連発「僕は自分に自信を持ち続けていた」

コリン・セクストンはネッツを相手に、そしてキャバリアーズに優勝をもたらしたポイントガードであるカイリー・アービングを相手に、最高のパフォーマンスを見せた。アービングは『個人的理由』でチームを離れて約2週間ぶりの戦線復帰。セクストンも足首のケガでほぼ同じ期間を欠場し、これが復帰戦だった。

5試合ぶりのゲームとなったがセクストンは「ベンチで試合を眺めているのは良い気分じゃなかったから」と、フレッシュな気持ちでプレーできたと振り返っている。「苦しい試合になったけど、それは始まる前から分かっていたこと」と最後まで戦い続けた。

ケガ明けでプレータイムを制限されたことが、ダブルオーバータイムまでもつれる長い試合の終盤に生きたのかもしれない。48分で決着がつかなかった試合、延長に入ってからセクストンのオフェンス力が爆発した。ネッツの主力は長くプレーしすぎて足に力が入らないのに対し、セクストンは余力十分。そして精神面でもマッチアップするカイリーに臆することなく、むしろアグレッシブさで上回った。

「僕は自分に自信を持ち続けていたし、チームメートも僕を信頼し続けてくれた。みんなが『ハードワークは必ず報われるから、準備をちゃんとしておけ』と声を掛け続けてくれたおかげだ。だから今夜は、チームメートやコーチの言葉を聞いてプレーした」とセクストンは振り返る。

良いプレーを見せたのはセクストンだけではない。ラリー・ナンスJr.、ジェディ・オスマン、アイザック・オコロは43分以上プレーしてもハードワークのレベルを落とさず、ネッツのタレント力に最後まで対抗した。強烈なブロックショットで『ビッグ3』のリズムを狂わせたジャレット・アレン、セクストンの爆発まで粘り強くシュートを沈めて得点を繋いだトーリアン・プリンスと、ハーデンのトレードに絡んでキャブズにやってきた2人もネッツファンにため息をつかせるプレーを見せた。

キャバリアーズにNBAを代表するスーパースターはいないが、良い素材が揃っている。かつてカイリーが着ていたキャブズの2番を継ぐセクストンは、その筆頭株であり、カイリーとマッチアップしながらキャリアハイの42得点を叩き出したこの試合を機にステップアップしそうだ。キャブズはレブロン退団後に19勝63敗、19勝46敗とひどい2シーズンを過ごしてきたが、今シーズンはここまで7勝7敗と善戦している。

キャブズでは昨シーズンに急成長したケビン・ポーターJr.が問題行動を起こしたとしてチームから放逐されたばかり。様々なトラブルを抱えながらも前進するチームは、このネッツ戦の勝利を浮上のきっかけにしたいところ。もっとも、中1日を挟んだ次の試合もネッツと戦う。NBAで今最も注目を集めるチームを相手に連勝を収められるか。またセクストンは2試合続けて結果を出せるのか。キャブズvsネッツの第2ラウンドからも目が離せない。