ジャ・モラント

クリス・ポールを擁するサンズとの接戦を制す

グリズリーズのジャ・モラントは年末に足首をひどく捻挫したが、予想より早い半月のリハビリでコートに戻ってきた。現地1月16日のシクサーズ戦では31分のプレーで17得点6アシスト。18日のサンズ戦では17得点10アシストとエースの働きを披露している。

特にサンズ戦では、試合巧者の司令塔であるクリス・ポールと渡り合い、接戦で迎えた終盤に彼を上回る支配力を発揮した。最終クォーター残り4分から8-2のランで98-98の同点とすると、ラスト1分半はモラントの時間となった。ゴール下の密集地帯にドライブで突っかけて左コーナーへとパスを送り、グレイソン・アレンの3ポイントシュートをアシスト。続くポゼッションではスピードに乗ったドライブでそのままレイアップを沈め、その直後にはクリス・ポールのドライブに対応してオフェンスファウルを誘発。クラッチタイムにビッグプレーを連発して勝負を決めた。

モラントと同じく17得点で攻守を牽引したブランドン・クラークは「ジャはもう完全に復調したよ」と太鼓判を押す。「ディフェンスを見て、僕たちの動きを見て、相手の動きを逆手に取っている。第4クォーターにはすべてを把握していたようなものだ。ペイントに進み、自分で打つのもチームメートにアシストするのも自由自在だった」

もっとも、指揮官テイラー・ジェンキンスはチーム一丸の勝利だったことを強調する。終盤にモラントが爆発するまで、サンズの勢いに押されながらも踏ん張り続けたのは、グレイソン・アレンやタイアス・ジョーンズ、ルーキーのデズモンド・ベインといったセカンドユニットの働きが大きかった。またこの試合はルーキーのゼイビアー・ティルマンSr.が初先発を務めた試合でもあった。

モラントも試合後の会見では、自分ではなくチームの成長を語った。「ウチには一貫性がある。コーチはベンチから出る選手にも信頼を寄せていて、みんな一生懸命に練習しているし、いつコートに出てもいい準備をしている。もちろん、僕らも手を貸すのを惜しまない。僕も彼らを信頼しているし、それがチームとしての力になっている」

チームはこれで3連勝で、通算成績で7勝6敗と今シーズンになって初めて勝ち越した。モラントはこの勢いをさらに増していくつもりだ。「昨シーズンにはケガやいろいろな理由があってプレーオフに進めず、今シーズンも同じような感じでスロースタートになった。勝ちに行っていないだとか、タンクすべきだって意見も聞こえてきた。だけど僕は絶対にそうは思わない。今日みたいに新たな選手が準備している。僕らには逆境を乗り越える力があるんだ」

NBAキャリア2年目のモラントが完全にチームの顔となり、それに続く選手たちも台頭しつつある。大混戦となっているリーグ戦で、グリズリーズがここから浮上してきても何の不思議もない。